研究概要 |
研究代表者らはこれまでマルチモーダルインタラクション(MMI)システムを構築するための基盤技術としてMMI記述言語XISLおよびMMIシステムの基本アーキテクチヤについて予備的検討を進めてきた.これらをベースとして,平成14年度にはMMI記述言語XISLを高度化し,MMIシステムの基本アーキテクチャを設計するとともに,PC,PDA,電話を端末とすMMIシステムの試作を行った. まず,W3CのMMIワーキンググループが策定したMMI記述言語に関する要求仕様に基づき,複雑な進行の対話シナリオをXISLで記述できるよう,XISLにSMIL2.0の同期制御メカニズムの導入等を検討した.SMIL2.0の導入により,入出力の同期制御(例えば,ユーザの入力を受け付けてから5秒後に出力を開始するなど)が可能になり,より緻密な入出力が記述できるようになった. 続いて,MMIシステムのアーキテクチャを端末依存部分と端末非依存部分が明確に分離できるよう設計した.端末非依存部分を多様な端末で共通に利用できるようになり,多様な端末を導入する際の実装コストを低減した. さらに,実際にPC,PDA,電話を端末とするMMIシステムを試作し,これらのシステム上で動作するオンラインショッピングのコンテンツを作成することにより,XISLおよびMMIシステムのアーキテクチャの有効性を実証した.
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