研究概要 |
「バーチャル・スタイリスト」システム構築に必要である服飾配色支援システムにおいて,対話型遺伝的アルゴリズム(IGA)を用いた配色イメージ判定の改良を行った.本手法では,これまでに構築してきたファジィ推論による配色イメージ判定において,ファジィ推論に関係するメンバーシップ関数やファジィルールなどの各パラメータを自動調整することで,ユーザのイメージに適した配色イメージ判定を行うものである.昨年度に構築したIGAによるパラメータの自動最適化では,ユーザとシステムのインタラクションによって,システムがユーザの感性にうまく適応していることが確認された.しかし,システムがユーザの感性に適応するためにはユーザが多数の配色イメージの評価を行う必要があり,これがユーザにとって負担となることが問題点として指摘された.そこで,本年度はダイレクト・マニピュレーション(DM)と呼ばれる遺伝子の直接操作法を採用し,システムがより迅速にユーザの感性に適応することが可能となった.また,システムのユーザインタフェースをユーザがより使い易いような形に改良し,複数の被験者によりシステムの運用試験を行った.その結果,DM提案システムは従来のシステムよりもより効率よくユーザの感性に適応していることが確認された. また,仮想試着システムの構築において,ユーザの身体情報計測および個人体形モデルの作成についての検討を行った.昨年度の研究において,人体を複数のアングルから撮影した画像を用いて,シルエット法により3次元の個人体形モデルを作成した.本年度は,3Dのボクセルデータからなる複数の体形モデルをデータベースに用意し,単眼のカメラにより撮影したユーザの画像と,データベース内の3D体形モデルを比較することで,ユーザの体形と近い体形モデルを検出する手法について検討を行った.
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