研究課題
近年、製品が製造されてから廃棄されるまでの過程である製品ライフサイクルについて、情報システムの整備が進められている。現在、回収過程の一元管理を実現する技術として、電波を用いた固体認識技術であるRadio Frequency IDentification (RF-IDタグ)が注目されている。本研究では、RF-IDタグを利用した製品ライフサイクルにおいて、知識情報処理を用いて効率的な製品の流れを実現することを研究の目的とする。製品ライフサイクルのうち、開発、調達、製造、配送、販売といった一連の業務のつながりであるサプライチェーンは、プロセス全体の流れを把握することが困難である。今年度の研究ではサプライチェーンにおいて業務の流れを複数設定し、それらを相対的に評価するシミュレーションシステムを開発した。このシステムから提供される情報を利用する方法により、利用者の目的に応じたサプライチェーンの構築が可能となる。また製品ライフサイクルのうち、利用、回収、処理、再利用といった一連の製品回収業務の流れについて、配送方針や回収業者・処理業者の業者数を設定した上で、配送量や処理量といった条件を様々に変化させて評価を行なうシステムを構築した。このシステムにより、RF-IDタグ情報を利用する方法によってあらゆる状況において低コスト・低環境負荷の製品回収業務が実現できることが確認できた。さらに製品ライフサイクルにおいて必須となる企業情報システムの連携について、それらを支えるアーキテクチャと連携技術の分析を行った。その結果、システム連携は4つのタイプに分類され、必要となる技術やアーキテクチャはタイプごとに異なることが判明した。
すべて 2004
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電気学会C部門論文誌 Vol.124-C, no.5
ページ: 1051-1057