研究概要 |
世界食糧農業機関(FAO)により構築された国際交易モデルのパラメータを用いて、表計算ソフト上に、全世界を32地域に分割した統計的な手法に基づくモデルを平成15年度までの成果として構築した。このモデルは、全世界32地域の総需要量と総供給量を一致させる均衡解を求める構造になっている。モデルの精緻化を行うために、例えば、小麦と米の代替性をモデルに取り組む工夫を行い、小麦価格が上昇したときに、どれくらい米への需要がシフトするかについてのモデル化を行った。4品目(Wheat, Maize, Rice, Soybean)に関しての地理情報システムを用いて構築された生産性と収穫量に関するモデルとの組み合わせを行った。このモデルは、降水量の変化や気温の変化の影響を取り込んだモデルともなっている。国際交易モデルにおいて計算された価格が、その次の年の作付面積と生産性に対して影響を及ぼす構造になっている。これら4品目に関しての西暦2025年までの予測を行った。また中国の青島についての現地調査を行い、青島市の環境保護局、青島大学の協力を得て、中国における環境関連のデータの入手を行い、中国政府の環境規制の将来動向に関しての情報を入手した。その結果、環境関連のデータの運用に関しては、省毎の裁量に任されている結果が得られた。社会経済統計データや、WTO加盟についての影響に関する文献や資料、国際通貨基金(IMF)のデータセットを収集した。中国WTO加盟の影響評価を行うためには、32地域では分析にあたり、粗い部分があるので、世界全体に対象領域を広げていくための準備を進め、同時にこれらのデータセットおよびモデルをインターネットのサーバー上に展開する仕組みの準備を行った。
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