研究概要 |
1.当初の研究実施計画 当初の研究実施計画では、福岡県下の製造業約1,500社を対象に、まず概論的なアンケート調査を実施し、引き続き具体的な産業ニーズに関するヒアリング調査を行い、得られた産業ニーズに対応する大学等の技術シーズをデータベース化することを予定していた。 2.本年度の成果 既存文献の調査ならびに予備的なヒアリング調査を行った結果、福岡県下の産業ニーズはIT・ナノテク・農林水産業という三分野に大別されることが判明したので、これらを調査対象とした。 (1)IT関係では、福岡県下で先進的な事業活動を推進する企業を複数社選定し、事業統括的な地位にある方を対象として、地域の技術革新と起業化精神に関するヒアリング調査を実施した。 (2)ナノテク関係では、九大の技術シーズを産業ニーズに対応する形で分類し、各分野ごと九大を代表すると考えられる研究者をピックアップし、計22名の研究者にヒアリングを実施した。 (3)農林水産業関係では、直近の政策(『「食」と「農」の再生プラン』「バイオマス・ニッポン総合戦略」「地方分権推進」等)も踏まえた場合、福岡県下に留まることなく或る程度広域的な調査が必要と考えられたことから、中国・四国・九州・沖縄地方の自治体・農林水産業関係各種協同組合約2,500件を対象として、食糧・環境・文化といった観点から"大学との連携による地域振興"に関してのアンケート調査を実施している。 3.今後の研究方針 (1)IT関係は、平成15年夏頃に報告書作成予定である。(2)ナノテク関係は、平成15年5月頃に、九大広報誌"Science view"に組み込まれて公開される予定である。 第二年度は、もっぱら(3)に焦点を絞り、公益的価値が大きく実践的な社会システムモデルを構築するための研究を鋭意推進していく。
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