本年度は、モデルの通年シミュレーションを行うための高速の計算機の作成とモデルの境界条件をLandsat画像と現有の東京都都市計画情報データ(建築物の形状、階高等が入ったデータ)から作成するためのシステムの構築を行った。 本研究で導入する気象モデル(RAMS)は、スーパーコンピュータのようなベクトル計算機ではなく、いくつものコンピュータを並列して利用する並列計算機での実行に最適化されている。これは、モデルが開発されたアメリカで単位価格当たりの計算能力が高い並列計算機が計算機の主流となっているためである。計算能力だけでなく安定性も考慮して、Pentium3 1Ghzのマシン17台の並列コンピュータを製作した。 また、Landsat画像と都市計画情報データ(建築物の形状、階高等が入ったデータ)を解析し、キャノピー層モデルに入力する境界条件(屋上面、壁面、地表面のアルベド、熱容量、ボーエン比等)の作成をおこなうため、現有のARC/INFO Ver.8とArc View Ver.3.2などのベクタデータ解析用GISソフトウェアに加え、衛星画像の解析用のGISソフトウェア(ERDAS IMAGINE professional Ver8.5)を導入し、システムの構築を行った。このシステムを用いて、まず、潜在的に屋上緑化可能な面積の試算を東京都を対象に行った。
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