研究概要 |
本申請研究における今年度の研究実績は以下の通りである. ・勤務表作成に関する条件の調査 複数の病院・病棟において,勤務表作成に関する聞き取りもしくはアンケートによる調査を行い,本申請研究において考慮すべき制約条件の設定を行った. ・勤務表集計ソフトの作成 本申請研究が目指す対話式のシステムでは,利用者である婦長がある程度パソコン操作に慣れている必要がある.しかしながら,現在のところパソコン操作に慣れている婦長は少ないと考えられる.そこで,パソコン操作に少しでも慣れてもらうため,簡単な勤務表作成支援ソフトを作成しそれを提供した.この支援ソフトには勤務表の自動生成機能は含まれないが,勤務の手動入力を行うと,割り当てられた看護婦数や勤務の数を自動的に集計するものである. ・勤務表作成に関する基本アルゴリズムの開発 構築型探索法を利用した既存の研究を発展させ,本申請研究の基本的なアルゴリズムの開発を行った.その概要は,まず,2〜5日間のすべての勤務パターンに対して基本優先度を設定する.次に,スケジューリング時点における各看護師のそれぞれの勤務に対する優先度を,先に求めた基本優先度やそれまでに割当てられた勤務を考慮することで計算を行う.さらに,優先度をコストに置き換え,ハンガリー法を用いることですべての看護師に勤務を割り当てる.本システムで考慮できない病院・病棟独特の条件に関しては,婦長自らが対話式により調整を行っていく. ・基本優先度の推定方法の開発 上記で述べた基本優先度を設定する場合,その対象日数が4,5日になれば,勤務の組合せパターン数は多くなり,そのすべてを婦長が行うのは現実的ではない.そのため,2,3日の基本優先度,勤務の許容連続数や間隔数などを考慮して,4,5日間の基本優先度を推定する方法を考えた.
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