研究概要 |
本研究では,物流の改善,中でも物流コストの削減や環境への影響を考えた物流業務の見直しに関する各種プロジェクトの評価,およびその実行案作成のために使用できる実用的なシステムを開発することを目的としている.提案するこのシステムは,「交通流の予測システム」,「物流計画の全体最適化システム」および「並列計算による高速最適化システム」からなる. 現在までに,提案するシステムの一部である「交通流の予測システム」と「物流計画の全体最適化システム」の開発を行った. 交通流の予測システムに関しては,まず創発的計算法であるCAを用いて交通流をモデル化し,交通流シミュレータを開発した.また,曜日,時間帯,対象地域ごとの交通流の特徴を抽出するために使用する「交通流予測システム」を開発し,これによって曜日・時間帯・対象地域ごとに,より忠実に交通状況を再現できるようにした. 物流計画の全体最適化システムに関しては,人工生命技術を応用した計画全体の最適化アルゴリズム(進化計算による最適解探索アルゴリズム)を構築した.構築に際しては,並列計算機によるクラスタリング演算が可能で,しかもそれによる効果が期待できるアルゴリズムにした.並列計算できるアルゴリズムにすることで,より良い計画を高速に探索できるようになる. 現在,シミュレーション実験,フィールド実験によって,開発したこれらのシステムの有効性確認および改良点の洗い出しを行っている.
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