今年度の研究実績としては3論文、1図書があげられる(以下すべて当研究者の単著。そのうち1論文は昨年度暫定的に発表したものを改訂して研究論文として公表したもの)。以下それぞれの概要を簡単に記す。 (1)(論文1-先物裁定取引の市場安定効果について) 先物市場に関する研究。参加者の行動を考慮したモデルを使って、裁定取引がもたらす市場安定効果について考察するもの。 (2)(論文2-市場慣行を用いたニューラルネット予測について) まずニューラルネットワークを使った研究においては、昨年度関西大学法学研究所で発表した研究を改訂し、名古屋商科大学論集によって幅広く公開した。 (3)(論文3-Multi Agent ApproachとMBSプライシングについて) MBS(モーゲージ担保証券)の価格付けに関して、市場参加者の行動様式を取り入れて考察するもの。 (4)(出版図書1-金融工学の意義を解説する一般書) 当図書は研究書ではなく一般書であるものの、一般読者に対して金融工学だけではなく、証券取引市場の市場慣行と市場メカニズムについてもわかりやすく解説している。 これらの研究基盤となった科学研究費補助金の交付に対して深く感謝申し上げたい。
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