研究概要 |
本研究は携帯情報端末を対象とした福祉情報の提供により,ホームヘルパーらの介護作業の負担を軽減させることを目的としており,平成14年度の研究成果としては以下の点があげられる. 所沢市社会福祉協議会に所属する支援員による携帯情報端末のモニター利用によって,福祉情報を提供している既存のサイトから得られる情報には,知見より得られた需要の高い福祉情報を簡単に利用できるものとそうでないものがある点が示された.特に大規模なサイトの構造は情報が深く階層化されており,すぐに必要な情報を得るまでのプロセスに困難を伴う場合がある.逆にインデックスとして何が知りたいかを選択するメニューが用意され,浅い階層構造をもったサイトは,携帯情報端末のようにインターネットへの接続速度が遅くても,充分な情報を含んでおり利用価値は高いということがわかった.これは携帯情報端末だけでなくPCでも同様である.しかしながらPCによるインターネット利用では動画やスクリプトといった複雑な情報伝達も可能となる点で応用幅は広い.従って情報の内容と質による提供方法の選択が求められる.そのうち携帯情報端末への情報処理は,低スペックの機器で充分実施可能であることがわかった. モニターには予めPCに関する知識をもつユーザを対象としたが,携帯情報端末の利用を習熟する際は新しい機器の利用についての教示が必要であり,次年度実施予定の複数ユーザによる携帯情報端末の利用も同様か,それ以上の教示が求められ,用途を特定したマニュアル等を携帯情報端末に組み込む必要があることがわかった.所属するホームヘルパーの多くは情報収集に対して高いモチベーションを持つが,機器の利用において躊躇するケースが多く,機会損失が生じている.従って機器の用途を作業ごとに特定し,利用方法をシンプル化して利用頻度を高めるという,次年度の作業における課題が示された.
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