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2003 年度 実績報告書

富士火山の火砕流堆積物の発生・堆積機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14780370
研究機関東京大学

研究代表者

吉本 充宏  東京大学, 地震研究所, 助手 (20334287)

キーワード富士火山 / 玄武岩 / 火砕流 / 粒度組成 / 堆積機構
研究概要

富士山ではこれまで防災対策を行う上で重要な現象である火砕流堆積物が重要視されてこなかった.本研究では富士火山における玄武岩質火砕流の特徴を明らかにし,その発生および流動堆積機構を解明することを目的として,東北山麓を中心に野外調査をおこない,東京大学地震研究所所有の北東麓掘削のボーリングコアの解析を行った.また玄武岩質安山岩質の火山である開聞岳や十勝岳の野外調査を行った.その結果,富士火山北東麓には複数の火砕流堆積物が存在し,ボーリングコア中にも確認された.これらの火砕流は火砕流堆積物中に含まれる炭化木片の年代測定の結果,約3500年前から1500年前に噴出したものである.またこれらの火砕流は少なくとも特徴的な2つのタイプの岩相をもつ.一つは本質物質に富み,一般的な火砕流堆積物に比べ細粒物に乏しい岩相を示し,もう一方は外来岩片を多く含み,本質物質がパン皮状ないしカリフラワー状の形状を示す.このような岩相を示す火砕流は開聞岳や十勝岳でも確認された.このような火砕流の岩相および堆積構造や粒度組成は,一般的な火砕流として認識されている安山岩質から流紋岩質の噴煙柱崩壊型(北海道駒ヶ岳など)や溶岩ドーム崩壊型(雲仙普賢岳など)の火砕流堆積物と異なり,玄武岩質〜玄武岩質安山岩質の火山で特有の火砕流であると考えられる.またこれらの堆積物の岩相および堆積構造の観察,粒度組成分析などからこれらの発生プロセスは急斜面にできたスコリア丘もしくはスパター丘が崩壊して火砕流になったものと急斜面にマグマが貫入した時に山体が部分的に崩壊し発生したものであると推定される.

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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