ミラーおよびレンズで構成された結像光学系を製作した。CHS装置において中性粒子ビームをほぼ磁力線接線方向から観測することが可能であるポートに結像光学系を設置した。 ビーム放射光を16本の光ファイババンドル上に結像させることで、径方向に異なる空間位置からの放射光のスペクトルを分光器により観測した。その結果、ドップラーシフトの大きさが観測している空間位置およびビームエネルギーによって変化する様子を確認できた。 次にビーム放射光強度を高い時間分解能で観測するために、フィルタオーブンと干渉フィルタ、フォトダイオードモジュールから構成されるフィルタ分光システムを構築した。このシステムを用いて、プラズマが存在する場合としない場合におけるビーム放射光強度の時間変化を観測した。その放射光強度の周波数スペクトルを解析し、その違いからビーム自体の揺らぎとプラズマの密度揺動によるものとの分離を試みた。プラズマが存在する場合には、放射光強度および揺動強度が増加し、ビームの揺らぎと相関が低い揺動が観測されている。これはプラズマからの密度揺動によるものであると考えられた。 本年度は、BES計測をヘリカル型の装置であるCHS装置に適用するためのシステムを構築し、プラズマからの揺動信号を検出できた。
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