研究概要 |
本年度は、まずターゲット材の選択を行った。本研究では、透過力の差を利用して画像を取得するので、その材質の検討は非常に重要である。その結果、ターゲット材としては、試料の厚みに応じて、Ti, Cu, Snを用いるのが最適であることが分かった。ターゲットからのX線は、制動輻射X線の割合も少なく、Snで問題となるL-X線もエネルギーも低く吸収されるために、単色X線と見なすことが可能であることが分かり、純単色X線源として利用可能であることが分かった。 次にターゲット-ピンホールコリメータ-検出器の配置の最適化を検討した。配置としては、ターゲット-ピンホールコリメータ間の距離を30mm、ピンホールコリメータと検出器は密着させればいいことが分かった。そこで、現有のシステムに改良を加え、画像取得システムの構築を行った。サブミリイオンビームのビーム径を評価した結果、0.5mm程度であった。 これらとシミュレーションの結果をふまえて、PIXE-InducedX線マッピングを行い、標準試料、植物の葉の二次元分布を取得した。その結果、空間分解能は約1mmであることが分かった。予想した分解能より悪く、シミュレーションにより、コリメータがテーパー状であるために、X線が透過し、コリメーター径を実効的に大きく見せていることが分かった。
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