トリチウム用イメージングプレート(IP)と表面汚染防止フィルムを用いてトリチウム模擬汚染の表面放射能分布測定を行った。模擬汚染試料には黒鉛製の核融合炉内壁タイルを用い、表面汚染防止フィルムにはサランラップ(旭化成社製)、トレリナ(厚さ1.2μm、2.0μm:東レ社製)およびパリレン蒸着膜(厚さ1μm)を用いた。模擬汚染で24時間露光したIPをイメージングアナライザー BAS2500(富士写真フィルム社製)で測定した。模擬汚染サンプルの表面汚染状況はパリレン膜、トレリナ膜1.2μm、トレリナ膜2.0μmの順に放射線画像強度の強い鮮明な画像が得られた。トレリナ膜6.0μmおよびサランラップの使用ではトリチウムの汚染分布を測定することは出来なかった。測定後のIPの表面を液体シンチレーションカウンターを用いて汚染検査を行ったが汚染は検出されず、表面汚染防止フィルムがトリチウムの汚染分布測定に有用であることが判った。24時間他の測定方法との検出効率の比較のためにガスフロー型サーベイメーター(アロカ社製)を用いて模擬汚染試料をトレリナ膜で包装して測定した。トレリナ膜2.0μmを用いた測定に対してトレリナ膜1.2μmで測定した場合の効率は約3倍であり、サーベイメーターによるトリチウム汚染物の測定にはサーベイメータープローブの汚染防止と検出効率の維持の兼ね合いからトレリナ膜1.2μmを用いるのが妥当であることが判明した。サーベイメーターからのデータ出力には放射線サーベイメーター出力データ処理システム(エスエス技研社製)を導入し、システムが正常に作動すること、任意時間の測定データを連続的に可搬式パーソナルコンピュータへ取り込むことが出来ることを確認した。
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