研究概要 |
平成14年度には主として以下の事を行った. 1.イオンビーム照射チェンバーの設置 イオンビーム照射チェンバーを本学タンデム加速器のM15ビームラインに設置した.ビームラインの構成管を以前よりも径の大きなものにしたため,大面積ビーム照射が可能になった.イオンビーム照射チェンバー内部にドラムに取り付けた試料を設置し,回転させながら,2MeVから3MeVの陽子ビームを照射することができた. 2.グラフト重合体系の整備 ビーム照射後,試料を真空保持できる容器に移し真空にするとともに,グラフト重合に用いるアクリロニトリルモノマーがその脱気体系において極力大気に接しないように改善した.これによって,100%以上のグラフト重合率が得られた.この結果とイオンビーム照射面積が大きくなったことにより,イオンビーム照射時及びその後のポリマー内部ラジカルの挙動を精度よく測定できるようになった. 3・イオンビーム照射・グラフト重合実験 試料として低密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンを用いた.グラフト重合時間に対するクラフト重合率の変化,および,照射後グラフト重合を行うまでの大気暴露時間に対するグラフト重合率の変化の傾向はそれぞれの試料で異なった.これらの傾向は,ポリマー内部のラジカルの拡散・消滅過程を表しており,興味深い結果となった.
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