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2002 年度 実績報告書

有機シンチレータを用いた入射方向弁別可能な高エネルギー中性子検出器に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14780408
研究機関九州大学

研究代表者

執行 信寛  九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (40304836)

キーワード高エネルギー中性子 / 中性子検出器 / 無機シンチレータ / 有機シンチレータ / 反跳陽子法
研究概要

本年度は、無機シンチレータの周囲に有機シンチレータを配置した検出器について研究を行った。
高エネルギー中性子の検出法には大きく分けて、飛行時間法と反跳陽子法がある。飛行時間法は検出原理が容易であるが、数百MeVの高エネルギー中性子を測定するためには長い飛行距離が必要となる。このため検出器の見込む立体角が減少し、単位時間辺りの検出数が少なくなる。一方反跳陽子法では、中性子を反跳陽子ラディエータを通過させることによって一旦陽子に変換し、その陽子のエネルギーを検出器へのエネルギー付与を測定することになるので、検出器系を中性子発生点に近付けることができ、単位時間辺りの検出数を大きくすることができる。
反跳陽子は無機シンチレータで測定するのが有効であるので、本年度は無機シンチレータNaI(Tl)の周囲に有機シンチレータNE102Aを配置することにした。この組み合わせでは、NaI(Tl)の減衰時定数が230nsであるのに対して、NE102Aの減衰時定数は10nsと極端に異なるため、減衰時定数の異なる有機シンチレータを利用するよりも微分積分回路とゲート積分法を用いた信号波形弁別がより容易になることが利点となる。
米国ロスアラモス国立研究所ロスアラモス中性子科学研究センターのWNR施設で、この検出器の入射方向弁別特性を測定した。この際、微分積分回路の時定数は50ns、ゲート積分法によるゲート幅は50nsと150nsに設定した。この結果、検出器にまっすぐ入射した反跳陽子と斜めに入射した反跳陽子が弁別できることが分った。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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