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2003 年度 実績報告書

マイクロアレイによる遺伝子発現パターンを指標とした環境影響モニタリング手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14780432
研究機関独立行政法人国立環境研究所

研究代表者

玉置 雅紀  独立行政法人国立環境研究所, 生物多様性研究プロジェクト, 主任研究員 (00311324)

キーワードシロイヌナズナ / 環境ストレス / モニタリング / マクロアレイ / ESTクローン / ミニマクロアレイ
研究概要

植物は異なる環境ストレスに曝された場合に異なる遺伝子を発現することが知られている。本研究はこの性質を利用して、異なる環境ストレスを受けている植物での遺伝子発現パターンをDNAアレイ法により比較し、そのパターンの違いから植物に影響を及ぼす環境ストレスを事前に特定することができるモニタリング手法の開発を目的とする。
平成15年度は前年度に単離することができた12時間のオゾン暴露により発現変化するシロイヌナズナの245種類のESTクローンを用いてオゾンによる遺伝子発現を経時的にモニタリングできるかどうかの検証を行った。具体的にはこれらESTクローンを用いたサブセットマクロアレイを作成し、これを用いて12時間のオゾン暴露によるマクロアレイパターンと3,6,24時間のマクロアレイパターンを比較した。その結果、オゾン暴露12時間に対する3,6時間の遺伝子発現パターンの相関係数は低い値を示した(それぞれR-0.57,R=0.69)のに対して、24時間では高い値(R=0.82)を示した。このことから今回作成したサブセットマクロアレイによりオゾン暴露12時間から24時間までをモニタリングできることが明らかになった。次にこのサブセットマクロアレイにより他のストレス(乾燥、塩ストレス、酸性雨、UV-B、高温、低温)に曝した植物から単離したmRNAを用いた場合のマクロアレイパターンの検証を行なった。その結果、今回作製したサブセットマクロアレイにより全てのストレスを区別することができることが明らかになった。さらに、この結果を用いて、それぞれのストレスを区別するのに必要最小限な12種類のESTクローンを載せたミニマクロアレイを作成しその有用性を検証した。その結果、作成したミニマクロアレイによりオゾンを含む7種類の環境ストレスをアレイパターンにより区別することができた。これによりDNAチップを用いた環境ストレスモニタリング手法の確立ができたと考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Masanori Tamaoki et al.: "Novel marker gene for assessment of behavior of transgenic plants in the field."Plant Biotechnology. 20. 225-227 (2003)

  • [文献書誌] Motohide Ioki et al.: "Genomic Structure of the Cucumber CPD Photolyase Gene."OMICS Journal of Integrated Biology. 7. 203-209 (2003)

  • [文献書誌] Machi Kanna et al.: "Isolation of ozone-sensitive and jasmonate-semi-insensitive Arabidopsis mutant (oji1)."Plant Cell Physiology. 44. 1301-1310 (2003)

  • [文献書誌] Masanori Tamaoki et al.: "Transcriptome analysis of O_3-exposed Arabidopsis reveals that multiple signal pathways act mutually antagonistically to induce gene expression."Plant Molecular Biology. (In press). (2004)

  • [文献書誌] Masanori Tamaoki et al.: "A method for diagnosis of plant environmental stresses by gene expression profiling using a cDNA macroarray."Environmental Pollution. (In press). (2004)

  • [文献書誌] Naoko Asai et al.: "Compensation for lack of a cytosolic ascorbate peroxidase in an Arabidopsis mutant by activation of multiple antioxidative systems."Plant Science. (In press). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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