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2002 年度 実績報告書

cDNAマイクロアレイによる新規ヒ素発癌関連遺伝子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 14780433
研究機関独立行政法人国立環境研究所

研究代表者

崔 星  独立行政法人国立環境研究所, 環境健康研究領域, 研究員 (20342735)

キーワード砒素 / マイクロアレイ / 癌 / 化学形態 / cyclin D1 / p16 / ILK / PTEN
研究概要

中国の南西部に位置する貴州省興仁県長慶村の煤煙中の砒素によって屋内の空気と飲食物が汚染され、経気道・経口的に慢性砒素中毒された患者の尿、毛髪のサンプルを共同研究者より分譲してもらい、砒素化合物の形態を分析した。調査した地区の石炭中砒素含有量は56.3±42.5ppm(一般石炭は1〜10ppm)で、飲み水での砒素濃度は基準値以下だった。慢性砒素中毒患者の尿中砒素を高速液体クロマトグラフを装着したプラズマ発光質量分析計を用いて分析した。その結果、ジメチルアルシン酸が主たる代謝物で、尿中全砒素濃度は71.4±37.1であった。中国砒素汚染地区にみられる病態を実験的に解明することを目的に、動物ラットに砒素経口飲料水暴露を行い、ラット肝臓を砒素暴露群と非暴露群よりRNAを抽出し、RNA質検定を行った後、real time RT-PCR法にて、発癌関連遺伝子であるcyclin D1、p16、ILK、PTEN、β-cateninなど遺伝子発現レベルを調べた。その結果、砒素投与4ヶ月後、高濃度群ではcyclin D1発現が著明に増加し、低中濃度群ではILK或はp27発現増加が認められた。PTEN、β-catenin発現は砒素暴露濃度に関係なく抑制された。砒素暴露期間、暴露濃度によってラット肝におけるcyclin D1、p27、ILK、PTEN及びβ-catenin遺伝子は異なる発現変更を示した。砒素暴露は発癌関連遺伝子発現を明らかに撹乱させた。
以上の基礎データを参考しながら、今後さらに中国側の共同研究者の協力のもとで、中国の砒素暴露被験者の試料を入手し、cDNAマイクロアレイを用いたヒ素による発癌のゲノムワイドな遺伝子発現データを得て網羅的解析を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Shraim A, Cui X, Hirano S.: "Arsenic speciation in the urine and hair of individuals exposed to airborne arsenic through coal-burning in Guizhou, PR China"Toxicology Letter. 137. 35 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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