今日の熱交換システムを巡る問題の解決技術として、スーパーコンデンサ(超凝縮器)の利用があり、従来の熱交換システムに常に凝縮器として働くように組込むと、冷媒の種類によらず効率が20%〜30%増加してエネルギー消費が減り、潤滑油を良く溶かして圧縮機の潤滑を維持するので新代替フロンが単体で使用できるなどの優れた特性を発揮する。しかし、この特性がどのような原理やメカニズムによって生じるのかは全く明らかではなく、本研究では、超凝縮器を組込んだ熱交換システムのサイクル論的原理、及び潤滑油との相溶性の物理化学的機構を解明することを目的とした。まず、超凝縮器を組み込んだ熱交換システムサイクルの運転特性について評価を行った。3.7kWの試験用空調機に代替フロン(HCFC-22)を充填し、温度条件を変えながら冷暖房運転し、圧縮機・凝縮器・膨張弁出入口及び蒸発機出入口等の温度・圧力を測定した。次に室外機に超凝縮器を取り付け、上述同様の測定を行った。冷房運転特性について、超凝縮器を組込んだ系は、室外気温度40℃の環境下で高圧カット現象が起こらず、冷房が可能であった。また、冷房サイクルのモリエ線図による冷房効率計算は、蒸発器内における温度・圧力が技術的に測定困難(既製品の空調機を試験用に転用しているため)であったが、大まかな概算値を算出した。また、超凝縮器を取り付け、新代替フロン(HFC-134a)を充填し、上述同様の測定を行った。冷房運転特性について、室外気温度40℃の環境下で高圧カット現象が起こらず、HCFC-22と比較して、各測定点における圧力の低下、低消費電力で運転可能であった。冷房サイクルについてはHCFC-22と同様、大まかな概算値を算出した。
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