本研究は、これまでの一連の緑地の充足度評価についての研究や、土地利用及び土地利用計画の解析評価についての研究成果を基盤とし、わが国及び東アジア、東南アジアにおける5ヶ所程度の広域都市圏を対象として、密度指標としての公共的緑地の充足度評価を行うことを目的とした。 平成15年度には、以下の段階の研究活動を行った。 1.地理情報システム(GIS)を利用した緑地充足度評価 前年度開発した緑地の充足度評価方法により、各研究対象地域における緑地量の解析を本格的に行った。この解析結果をもとに、中心地からの距離帯ごとに人口密度、市街地の面積割合などの密度指標と緑地量との関連性を把握したうえで、公共的緑地の充足度評価を行った。 2.評価結果の分析・考察 上記の評価結果をもとに、各広域都市圏における公共的緑地の充足状況について把握し、各研究対象地域ごとに評価結果を比較・検討した。さらにこの結果をもとに、地域的な格差が生じる原因についても考察を行った。 3.評価結果のまとめ 前年度に行った評価結果の分析・考察をもとに、平成14年度研究実績報告書の段階1で収集した緑地整備計画や緑化政策に関する資料を参照し、各広域都市圏における今後の緑地整備の方策について検討した。具体的には評価結果をもとに、各広域都市圏において緑地不足地域を地区レベルやメッシュ単位で指摘したうえで、文献資料、行政資料、ヒアリング調査結果をもとに導入可能な改善方策を提言した。
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