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2004 年度 実績報告書

脂質膜に自発的挿入するペプチド分子の動的高次構造と細胞内挙動の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14780461
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

松原 輝彦  慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (10325251)

キーワード生体膜 / 脂質二重膜 / リポソーム / ペプチドライブラリー / ファージディスプレイ法 / セレクション / マイクロドメイン / 細胞内小胞
研究概要

昨年度に同定されたリポソームに結合する配列の最適化を行うため、再度リン脂質/コレステロール(2:1)リボソームに対して親和性選択を行った。12残基および24残基のランダムベプチドライブラリーからファージ提示法を用いて選択したが、ELISAでは有意な親和性を持つクローンを同定できなかった。そこで直接細胞と相互作用するペプチドを同定するため、MKN細胞に対して親和性選択を行った。選択の結果得られたファージをクローン化し、ペプチド配列の向定を行った。クローン化されたファージを蛍光標識し、フローサイトメーターによる解析を行ったところ、3種類のペプチド配列が細胞と相互作用することがわかった。アッセイによる結果から、これらは細胞膜表面の糖鎖および糖鎖関連タンパク質に結合することがわかった。これらのペプチドはリポソームに組み込むか、ミセル化させることで病原性ウイルスの感染阻害活性を有する可能性がある。細胞に相互作用し、薬剤として機能し得る可能性のあるペプチド分子の設計に成功した。
また昨年度に報告した亜鉛結合配列との融合により、高次構造を形成し糖脂質に結合するペプチドの設計を行った。亜鉛結合配列と糖脂質結合配列をコードする遺伝子を連結したプラスミドを調製し、ファージライブラリーを作製した。同様にファージ提示法を用いて選択し、亜鉛を保持した状態で糖脂質認識を行うペプチド配列を同定した。これらは亜鉛の有無の条件によって結合活性が異なる。現在この配列のランダム変異を行い、分子進化させる試みを行っている。このペプチドは環境の変化に応じて高次構造を変え、糖脂質との相互作用を変化する「動的な」分子として機能できる可能性がある。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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