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2003 年度 実績報告書

がん細胞運動刺激因子による細胞外受容体認識機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14780479
研究機関昭和大学

研究代表者

田中 信忠  昭和大学, 薬学部, 講師 (00286866)

キーワード構造生物学 / 結晶構造解析 / 結晶化 / X線 / 腫瘍 / がん / サイトカイン / 転移
研究概要

ヒト黒色腫細胞、ヒト繊維肉腫細胞から単離された、ヒト由来自己分泌型がん細胞運動刺激因子(human autocrine motility factor,以下hAMFと略)は、細胞外に分泌され、産生細胞自体の運動を刺激する、ホモ2量体(2x558アミノ酸残基)サイトカインである。本研究では、がん転移抑制剤の合理的デザインへ向けた手掛りを得るため、hAMFとその阻害剤との複合体の立体構造、およびhAMFの受容体である、hAMFRの立体構造を解明することを目指している。
平成14年度までに、我々は、hAMFの阻害剤非結合型、阻害剤結合型の両者の立体構造解析に成功し、部位特異的置換実験の結果と合わせ、AMFの機能発現には、糖タンパクであるAMFRの糖鎖認識が重要であるという知見を得た。一方、各種阻害剤の効果を評価するin vivoのがん転移モデル等の実験においては、マウスを用いている。従って、マウス由来AMF (mAMF)の立体構造情報も必要である。そこで、今年度は、mAMFの発現・精製・結晶化・構造決定を行った。
大腸菌を用いてGST融合型mAMFを発現させ、2段階のカラム操作で精製した。精製mAMFを用いて結晶化条件の探索を行い、板状結晶を得ることに成功した。結晶学的パラメータは、空間群P2_1、格子定数a=69.78Å,b=116.23Å,c=73.39Å,β=100.93゜であった。共結晶化法により、各種阻害剤との複合体結晶の調製にも成功した。筑波のPhoton Factory、播磨のSPring-8のシンクロトロン放射光を用い、回折強度データの収集を行った。分子置換法による位相決定、構造精密化を行い、各種阻害剤複合体に関し、高分解能の立体構造を得ることができた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Uemura, H., et al.: "Crystallization and preliminary X-ray crystallographic studies of human autocrine motility factor."Protein and Peptide Lett.. 8. 317-322 (2001)

  • [文献書誌] Tanaka, N., et al.: "Inhibition mechanism of cytokine activity of human autocrine motility factor examined by crystal structure analyses and site-directed mutagenesis studies."J.Mol.Biol.. 318. 985-997 (2002)

  • [文献書誌] 田中信忠ら: "ヒト由来自己分泌型がん細胞運動刺激因子の活性阻害機構"Photon Factory News. 20. 26-32 (2002)

  • [文献書誌] Tsutsurni, S., et al.: "The enzymatic activity of phosphoglucose isomerase is not required for itscytokine function."FEBS Lett.. 534. 49-53 (2003)

  • [文献書誌] 田中信忠: "ヒト由来自己分泌型がん細胞運動刺激因子の立体構造解析"日本結晶学会誌. 45. 335-340 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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