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2004 年度 実績報告書

蛋白質の遅い揺らぎを捉えるための粗視化モデル

研究課題

研究課題/領域番号 14780506
研究機関早稲田大学

研究代表者

高野 光則  早稲田大学, 理工学術院, 講師 (40313168)

キーワード蛋白質 / 揺らぎ / 分子動力学シミュレーション / 粗視化モデル / 分子モーター / アクトミオシン / 構造機能相関 / エネルギー変換
研究概要

これまでの研究で、Goモデルベースの粗視化モデルMD計算により蛋白質の遅い揺らぎをシミュレートし、結果の有効性・信頼性を検証してきた。そして、大幅な計算時間の軽減とともに高精度全原子モデルと同等の結果を得られることを示した(Nat.Comput)。本年度は、(1)これまで使:用してきたGoモデルの:Folding問題に対する応用(Chem.Phys)、そして、(2)モデルの拡張を行った。新たなモデルでは、結晶構造で頻繁にみられ、かつ遅い揺らぎ原因にもなる蛋白質の構造多型性を直接的に粗視化モデルに埋め込む工夫を行った。最も簡単な構造多型として、2つの構造が安定になる粗視化モデルを考案し、このモデルと従来のモデルとが質的な違いを見せるか否かを研究した。その結果、両者間には大きな相違は見られなかた。すなわち天然構造に本来的に備わったダイナミクスに既に構造多型問遷移の情報が埋め込まれていることが示唆された。換言すると、従来のGoタイプの粗視化モデルで蛋自質の構造多型間遷移のような遅い揺らぎも再現できる、ということである。この結果をふまえ、(3)応用として、昨年度来、研究を進めてきた分子モーター・アクトミオシン動作機構に関し、ミオシン側の構造多型間遷移が力発生の直接の原因とするレバーアーム仮説の可否を、Goタイプの粗視化モデルによるミオシンの揺らぎダイナミクス、および摂動に対する応答という観点から検証し、レバーアーム説を否定する結果が得られた。同様の手法で、DNA結合蛋白であるCRPのアロステリック制御機構について研究した(FEBSLett)。本研究の最終目標とした「遅い揺らぎ」とアロステリック構造変化および誘導適合との関わりについては、今後、これらの系の研究をさらに進展させた上で一定の答えに到達できると考える。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] On the model granularity to simulate protein dynamics: A biological physics view on biomolecular computing2004

    • 著者名/発表者名
      M.Takano, J.Higo, H.K.Nakamura, M.Sasai
    • 雑誌名

      Natural Computing 3

      ページ: 377-393

  • [雑誌論文] Scrutinizing the squeezed exponential kinetics observed in the folding simulation of an off-lattice Go-like protein model2004

    • 著者名/発表者名
      H.K.Nakamura, M.Sasai, M.Takano
    • 雑誌名

      Chemical Physics 307(2-3)

      ページ: 259-267

  • [雑誌論文] Systematic single base -pair substitution analysis of DNA binding by the cAMP receptor protein in cyanobacterium Synechocystis sp.PCC 68032004

    • 著者名/発表者名
      Omagari K, Yoshimura H, Takano M, Hao D, Ohmori M, Sarai A
    • 雑誌名

      FEBS Letters 563(1-3)

      ページ: 55-58

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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