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2002 年度 実績報告書

光合成タンパク質複合体の構造形成過程の追跡

研究課題

研究課題/領域番号 14780509
研究機関名古屋大学

研究代表者

柴田 穣  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20300832)

キーワード1分子分光法 / 再構成 / 光合成タンパク質複合体 / 共焦点レーザー顕微鏡 / クロロソーム
研究概要

本年度前半は、レーザー共焦点顕微鏡、ナノファインダーにヘリウムガスフロー型のクライオスタットを導入し、極低温での顕微分光実験の最適化を行った。試料をクライオスタット中に固定する試料ホルダーを作成するとともに、本助成金により顕微鏡用クライオスタットに必要である長作動距離の対物レンズを購入し、低温での実験条件の最適化を行った。このシステムを用いてヘリウム温度での顕微蛍光分光測定を行い、緑色光合成細菌の光捕集系であるクロロソーム単体のスペクトル測定を行うことに成功した。クロロソームは、脂質で構成されるベシクルの中にバクテリオクロロフィルが数百分子集まって出来ている複合体である。極低温において一つ一つのクロロソームの蛍光分光が行われたのは、今回が初めてのことである。常温の測定では、一つ一つのクロロソームで異なる蛍光スペクトルが観測されるとの報告があるが、今回のヘリウム温度での測定では、このような不均一性は観測されていない。今後温度変化の実験も行って、低温から常温への変化を確認する。本研究課題の中心的課題である光化学系I複合体(PSI)や、植物の系II光捕集系LHCIIにおいても、1分子のスペクトル観測の実験を開始したが、まだ成功には至っていない。以上は、測定装置の最適化である。光合成複合体の再構成の実験については、色素の精製、タンパク質の精製法の確立を本年度は行っていた。精製を行った色素では、まだ脂質などの不純物が残っており、界面活性剤で可溶化する際に析出が見られるなどの問題がある。今後、カラムクロマトグラフィーを重複してかけるなど、改善していく予定である。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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