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2002 年度 実績報告書

ヒトホスホリパーゼDのドメイン解剖学による細胞内シグナル伝達機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14780526
研究機関横浜市立大学

研究代表者

廣明 秀一  横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 助教授 (10336589)

キーワードホスホリパーゼD / ホスファチジン酸 / ドメイン解剖学 / 脂質結合ドメイン / PXドメイン / PHドメイン / 人工シャペロン / タンパク質の巻き戻し
研究概要

1.ヒトホスホリパーゼD(PLD)の一次配列解析とドメイン解剖
配列解析サーバ上のデータを利用して、種々の生物のPLDの配列および既知のPX/PHドメインの詳細な配列比較を行い、PLDのN末端部分の配列のPLD-N領域、PX、PH各領域のドメイン領域境界を予測した。このPLD-N/PX/PHの三領域にまたがる形でPLDの細胞内局在を制御する機能ドメインがあると予測した。
2.ヒトPLD1/PLD2の局在制御ドメインの遺伝子クローニングと発現系作成
市販ヒトcDNAおよび、全血から採取したヒトcDNA.から、PLD1およびPLD2のN末端約300残基をコードするcDNAを得た。それをN+PX、PX(short form)、PX(long form)、PH、PX+PHの各領域の組合わせで、GST融合タンパク質としての発現ベクターを構築した。
3.ヒトPLD1のPXドメイン(Short form)の大量組換え生産条件検討及び精製系確立(1)
ヒトPLD1/2のPXドメインを含むGST融合蛋白質は、いずれも、大陽菌宿主BL21(DE3)ではわずかしか発芽しない。この発現は大腸菌の希少codonを補う宿主を用いることで、劇的に改善した。大腸菌で発現するGST-PLD1/2融合蛋白は、いずれも不溶性画分に検出された。筆者はこれを5M GdnHClで可溶化して、2%Tween20溶液に希釈することでGST融合蛋白のまま効率よく巻き戻すことができることを発見した。その後トロンビン切断、陽イオン交換カラムを経ることで構造解析に十分量の試料を得る系を確立した。
4.ヒトPLD1のPXドメイン(short form)の^<15>N NMRによる解析
3の方法で15N標識PLD1-PX(short)を調製しNMRを測定した。PLD1-PX(short)は、そのシグナルから、PXドメインの40%程度が依然として正しいfoldingを取っていないことが予想された。
5.ヒトPLD1のPXドメイン(long form)の大量組換え生産条件の検討
上記を踏まえ、新たにドメイン境界を変更したPLD1-PX(long)の発現と巻き戻し条件を確立した。今回はsarcosylを利用した可溶化法が効果があった。人工シャペロンの利用も検討した。現在は精製法を改良している。
6.PLDによる細胞内シグナル伝達の下流でのPXドメインの生化学的機能の解析
九州大学生体防御センター住本教授らとの共同研究で、PLD産物ホスファチジン酸によって活性化されると考えられている、NADPH酸化酵素p47^<phox>のPXドメインの生化学的機能解析を行い、SH3ドメインやリン酸化による新たな脂質結合能の調節メカニズムを発見した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Ago T, Kuribayashi F, Hiroaki H, Sumimoto H, et al.: "Phosphorylation of p47phox directs PX domain form SH3 domain toward phosphoinositides, leading to activation of the phagocyte NADPH oxidase"Proc.Natl.Acad.Sci. U.S.A.. 100(accepted(印刷中)). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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