研究概要 |
unc-51およびunc-73の軸索誘導における遺伝的相互作用を解析する目的で、両変異体の様々なalleleに関してかけ合わせを行い、その表現型を解析することを継続している。その結果、unc-51とunc-73の弱い変異体の2重変異体の表現型が、unc-73の完全な機能喪失型の,alleleの表現型と同程度であることを見出した。このことから、両遺伝子が同一の遺伝的経路に位置することが強く示唆される。現在、unc-51、unc-73、unc-6(Netrin)、unc-5(Netrin受容体)との遺伝的相互作用の解析を継続している。 unc-51、unc-14変異体において、Netrin受容体であるUNC-5の細胞内局在細胞内局在が異常となることを見いだした。この結果はUNC-5の細胞内局在に、UNC-51、UNC714が重要な役割を担っていることを意味する。UNC-51は出芽酵母S.cerevisiaeのautophagyに必要なapglp分子に相同なセリン/スレオニンキナーゼであり、UNC-14は低分子Gタンパク質のシグナル伝達に重要と考えられているRUNドメインを有する分子である。加えて、UNC-5、UNC-51、UNC-14が神経細胞内で共局在すること、unc-5とunc-51、unc-5とunc-14間に遺伝的相互があることを見いだした。autophagyは代謝的な小胞輸送であることから、Netrin受容体であるUNC-5の細胞内局在にautophagy、あるいは、それと類似した小胞輸送の制御が重要な役割を演じている可能性が強いと考えている。 酵母のtwo hybrid法でUNC-51、UNC-73と相互作用するスクリーニングして得られた分子に関しても、RNAi等によりその軸索誘導における機能解析を継続している。
|