研究課題/領域番号 |
14780535
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
荻野 桂子 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (70342920)
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研究分担者 |
正井 久雄 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 副参事研究員 (40229349)
松本 清治 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (40190532)
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キーワード | 分裂酵母 / Cdc7キナーゼ / 減数分裂 / 減数分裂前DNA複製 / 減数分裂期組み換え / pat1変異体 / 胞子形成 / チェックポイント |
研究概要 |
出芽酵母Cdc7キナーゼのホモログである分裂酵母Hsk1タンパク質は、体細胞増殖においてS期の開始と進行に必須なタンパク質であり、そのキナーゼ活性は制御サブユニットであるDfp1/Him1タンパク質により制御されている。Hsk1-Him1の機能を遺伝学的に解析するためにhsk1の温度感受性変異株(hsk1-89)を単離し解析した結果、Hsk1タンパク質はS期の開始に必須な機能を担うと共に複製チェックポイント経路を制御すること、S期における姉妹染色分体の接着を制御することを見い出した。さらにhsk1温度感受性変異株の二倍体株を減数分裂に誘導したところ胞子形成の異常が生じ、その活性制御サブユニットであるhim1の変異株においても同様の胞子形成異常を示した。そこで、体細胞分裂と同様にDNA複製を経て進行する減数分裂過程におけるHsk1タンパク質の機能を明らかにするために、一倍体で同調的に減数分裂過程への誘導が可能なpat1(ts)変異株との二重変異株、pat1(ts)hsk1-89(ts)を作製した。この変異株を窒素源枯渇の後、32℃への温度シフトにより減数分裂過程へ誘導したところ、減数分裂前DNA複製に遅れが生じた。さらに、減数分裂前DNA複製に続いて行われる遺伝子組み換えの開始のDNA二重鎖切断(DSBs)が形成されず、一核のまま胞子形成がみられなかった。減数分裂前DNA複製の間にリン酸化され、減数分裂の開始とともに脱リン酸化されるCdc2のTyr-15のリン酸化はpat1(ts) hsk1-98(ts)株ではずっと維持されたままであった。(これらのdefectは、hsk1遺伝子をプラスミドで導入し、大量発現することにより全て相補することができ、胞子形成能も回復した。) 以上の結果は、Hsk1キナーゼの機能が減数分裂前DNA複製および組み換えに重要な役割を果たすことを示すと同時にHsk1キナーゼの活性低下による複製阻害がチェックポイント制御機構を誘導し、Cdc2の不活性化を通じて細胞分裂を停止する可能性を示唆する。現在、Hsk1キナーゼが組み換え過程を直接制御するのか、hsk1変異体において組み換えは複製阻害の結果もたらされるチェックポイント機構の一環として阻害されているのかについて検討している。
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