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2002 年度 実績報告書

細胞膜損傷の修復に寄与する開口放出の調節機構に関する分子生理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14780539
研究機関東京大学

研究代表者

東郷 建  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40334247)

キーワード膜修復 / 開口放出 / CREB / 非筋型ミオシン / イメージング / GFP / FM1-43 / カルシウム
研究概要

細胞膜損傷の修復には、損傷箇所から流入するカルシウムイオンが誘起する開口放出が必要である。また、細胞膜に繰り返し損傷を与えると2回目の損傷修復は1回目よりも早く、損傷時の開口放出量も多い。この促進反応には転写因子CREBを介した遺伝子発現の調節が必要である。そこで3T3細胞にレポーター遺伝子pCRE-d2EGFPを導入し、損傷後のCREB依存的な遺伝子発現をGFPの蛍光として捉え、CREBの活性化に至る情報伝達系について検討することを計画した。
その結果、レポーター遺伝子を恒常的に発現する3T3細胞を作出し、細胞膜損傷後のCREB依存的な遺伝子発現をGFPの蛍光量の増大として捉えることに成功した。また、神経細胞でCREBの活性化に関与していることが知られているリン酸化酵素PKAの、3T3細胞における役割について検討したところ、PKAを阻害した条件でもGFPの蛍光量は増大した。細胞膜損傷修復の促進、開口放出量の増大について、蛍光色素fura-2およびFM1-43を用いて検討したところ、PKAは損傷修復の促進反応および開口放出量の増大には関与していないことが明らかとなった。更に、MAPキナーゼ、CaMキナーゼのCREB活性化、および損傷修復の促進、開口放出量の増大への関与について、検討を行った。
次いで、細胞膜損傷の修復における非筋形ミオシンの関与について検討を行った。アンチセンス法により、ミオシンIIAおよびIIBが細胞膜損傷の修復に寄与していることを見出していたが、細胞内での局在についての検討がなされていなかった。それらを詳しく検討した結果、ミオシンIIAがゴルジ体に、IIBが細胞膜直下に存在することを確認した。これらのことから、ミオシンIIAがゴルジ体から細胞膜に向けた小胞の輸送に関与していること、又IIBが開口放出そのものに関与をしていることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Togo, T.: "Long-Term Potentiation of Exocytosis and Cell Membrane Repair in Fibroblasts"Molecular Biology of the Cell. 14・1. 93-106 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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