• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

酵母におけるCa^<2+>による細胞周期制御の分子機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14780546
研究機関広島大学

研究代表者

水沼 正樹  広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (10343295)

キーワード酵母 / 細胞周期 / Ca^<2+> / Pkc1 / G1サイクリン
研究概要

我々はCa^<2+>情報伝達経路が関与する細胞周期制御機構を解明するため出芽酵母を高等生物の「モデル生物」として用い細胞生物学的解析によりその全貌を解明する研究を行っている。これまでにCa^<2+>情報伝達経路が異常と予想された酵母変異株を多数取得し、順次解析を行っており、変異をsczと銘々した。
scz6変異株の解析結果から以上のような知見を得た。(1)scz6変異はCキナーゼとして知られるPkc1の変異由来であった。(2)scz6変異株は、高濃度のCa^<2+>培地で耐性を示し、高温(37℃)および低温(14℃)感受性を示した。(3)scz6変異株では、酵母Pkc1経路の下流で機能しているMpk1(細胞壁の合成に関与)経路に欠陥があると予想されたが、Ca^<2+>によるMpk1の活性化が観察されたことからMpk1経路は正常に機能することが分かった。(4)scz6変異株の低温感受性は細胞質分裂チックポイントで機能するBim1の過剰発現により抑圧された。以上の結果から今回取得した変異Pkc1は細胞質分裂あるいは細胞周期進行に特異的に欠損した変異株であると予想された。さらにPkc1はG1サイクリンの発現制御に重要であることを見出した。
Pkc1の機能としては細胞壁合成の構築に必須であることはよく知られていたが、これまで詳細が不明であったPkc1の細胞周期・増殖における役割を明らかにした。さらに重要なことに少なくともPkc1は酵母細胞内ではCa^<2+>による活性化を受けることを明らかにした。この事実は高等生物にも大きなインパクトを与えると予想する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Dai Hirata, et al.: "Fission yeast Mor2/Cps12, a protein similar to Drosophila Furry, is essential for cellmorphogenesis and its mutation induces Weel-dependent G2 delay"The EMBO Journal. 21. 4863-4874 (2002)

  • [文献書誌] Yuji Miyamoto, et al.: "Identification of Saccharomyces cerevisiae Isoleucyl-tRNA synthetase as a target of the G1-specific inhibitor Reveromycin A"J. Biol. Chem.. 277. 28810-28814 (2002)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi