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2003 年度 実績報告書

ゼブラフィッシュを用いた嗅覚神経回路形成の分子メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 14780615
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

宮坂 信彦  独立行政法人理化学研究所, シナプス分子機構研究チーム, 研究員 (70332335)

キーワード嗅上皮 / 鋤鼻器 / 嗅球 / 投射 / 軸索 / GFP / トランスジェニック / 突然変異体
研究概要

哺乳類では、繊毛を持つ嗅細胞(繊毛細胞)は嗅覚器に存在し、微絨毛を持つ嗅細胞(微絨毛細胞)は別の感覚器である鋤鼻器に存在する。一方魚類では鋤鼻器は存在せず、繊毛細胞および微絨毛細胞は単一の嗅覚器に混在する。これらの機能的に異なる嗅細胞サブセットの軸索投射パターンを解析するために、嗅細胞サブセット特異的プロモーターの制御下に蛍光蛋白質リポーター(YFP)を発現するトランスジェニックゼブラフィッシュの作製を行った。まず、in situ hybridization法により、olfactory marker protein(OMP)とtransient receptor potential(TRP)チャネルがそれぞれ特定のサブセットに発現することを見いだした。前年度までに樹立したOMP-YFPトランスジェニックフィッシュを解析したところ、YFPによって可視化された繊毛細胞の軸索は嗅球の特定の糸球サブセットに投射することが明らかになった。さらに、TRPチャネルプロモーターをクローニングし、TRP-YFPトランスジェニックフィッシュを樹立して軸索の投射パターンを解析した。TRP-YFPでラベルされた微絨毛細胞の軸索は嗅球のOMP-YFP糸球とは異なる糸球サブセットヘ投射することが明らかになった。
樹立した2種類のトランスジェニック系統は、嗅細胞軸索の嗅球への投射過程を生きたまま観察することができ、嗅神経回路形成の分子メカニズムを解析する上で有用である。そこで、既知の突然変異体と嗅神経可視化トランスジェニック系統を交配して軸索投射の過程を観察した。その結果、免疫グロブリンスーパーファミリーに属する軸索ガイダンスリセプターの変異体において、嗅細胞軸索の投射異常が起こることを見いだした。現在、この変異体における詳細な軸索伸長過程の観察と分子メカニズムの解析を行っている。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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