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2003 年度 実績報告書

マイクロ波温熱処理による悪性骨腫瘍の患肢温存手術のための新しい加熱手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14780632
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

稲岡 秀検  東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (30282768)

キーワードマイクロ波誘電加熱 / パスツール処理 / 患肢温存手術
研究概要

本年度は成犬(ビーグル犬,1.5才)の大腿骨に対するマイクロ波温熱処理実験を行った.加熱処理実験は,一本のニードル状アンテナを用いた実験,および三本のニードル状アンテナを同時に利用した実験の二種類が行われた.ニードル状アンテナは,直径1mm,長さが15〜50mmのものを用いる.犬の大腿部を切開し,ドリルにより数箇所を穿孔,ニードル状アンテナを刺入する.大腿骨のアンテナ刺入側表面はマイクロ波の骨内照射を補助するためにアルジネートジェルを塗布する.また大腿骨のアンテナ刺入の反対側にはポリスチレンフォーム付きリアルミホイルシートを設置する.これは周囲軟組織へのマイクロ波の照射を防ぐとともに,マイクロ波加熱された大腿骨からの伝熱による軟組織の加熱を防ぐための断熱材として機能する.マイクロ波加熱はマイクロ波発生器(Microtaze HSD-20M Azell Inc)にて20Wの出力で行う.加熱時の骨内および骨周囲の温度は光ファイバ温度計(NOEMI-TS Nortec)にて複数箇所を同時に計測する.単一アンテナによる加熱実験の結果,実験開始後約100秒でアンテナ近傍の骨内温度が60℃に達し,250秒後にはアンテナ周囲の半径7mmの骨全体が60℃に達し,in vivoでのパスツール処理が可能であることが確認された.また断熱シートの利用の結果,周囲軟組織への加熱はほとんど観測されず選択加熱が可能であることが示された.三本のアンテナを同時に用いた加熱実験では,実験開始後100秒ほどで骨のほぼ全域が60℃に達し,加熱時間の短縮および加熱範囲の増加が確認された.その後はマイクロ波のオンオフ制御により骨全体の温度が60〜80℃に保たれることが確認され,対象部の温度制御が可能であることも確認された.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hidenori Inaoka: "Development of a new microwave heating method for bone tumors"IEEE EMBS Asian-Pacific Conference on Biomedical Engineering 2003. (CD-ROM). 019231-1.p05 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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