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2002 年度 実績報告書

DNA担持ナノ粒子による遺伝子の一塩基変異識別の機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 14780641
研究機関九州大学

研究代表者

宝田 徹  九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (30336010)

キーワードナノ粒子 / 遺伝子診断 / 一塩基多型 / コロイド / 塩析
研究概要

これまでに申請者らは、一本鎖DNAを表面上に担持した高分子コロイド粒子を構築し、その分散液に相補鎖DNAを添加すると二重鎖形成に伴って粒子が急激に凝集して系が白濁するのに対して、一塩基置換型DNAを添加した場合は全く凝集が起こらないという特異的な現象を見出している。本研究では、この凝集現象の原理を詳細に解き明かし、次世代のバイオ分析デバイスを実現するための設計指針を得ることを目指している。本年度は主に以下の2点についての知見が得られた。
1.DNA担持ナノ粒子の表面電荷量と凝集挙動の相関関係
電気泳動光散乱光度計を用いて、粒子表面のゼータ電位を測定した。15mMのMgCl_2存在下において、一本鎖DNA担持ナノ粒子のみの場合は-17.3mV、末端一塩基置換および一塩基延長サンプルDNAを添加して粒子表面上で二重鎖を形成させた場合はともに-19.5mVであった。一方、同一条件において完全相補的なサンプルDNAを添加した場合は、迅速に凝集が生じるため測定不能であった。ゼータ電位は中性に近づいているものと考えられる。以上の実験結果より、粒子の最外殻に位置するミスマッチが粒子間の静電反発を生み出すことが明らかになった。
2.DNA二重鎖を安定化する塩の影響
粒子表面で二重鎖が形成されて負電荷密度が増大すると、系中に塩として添加された金属イオンとのイオン対形成が促進されて、結果的には粒子表面が中和されると推測している。種々の金属イオンの効果を比較したところ、凝集が開始する金属イオン濃度はCa^<2+><Mg^<2+><Na^+<K^+の順になることが分かった。本現象は、親水コロイドの塩析と見なすことが出来るが、上記の順序は離液順列(Mg^<2+><Ca^<2+><Na^+<K^+)とは必ずしも一致しなかった。本研究における凝集現象においては、DNAのリン酸アニオンと金属イオンの親和性が重要な因子であることが示唆される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 宝田: "DNAコンジュゲートを用いる遺伝子診断法の開発"機能材料. Vol.22, No.8. 13-21 (2002)

  • [文献書誌] 宝田: "遺伝子を塩で見分ける"現代化学. No.4(印刷中). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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