1.(1)開発したp53結合配列の検索システムにてゲノム上に予測されたp53結合部位をインデックス化することで検索の高速化を行った。また公共のデータベース(UCSC)の遺伝子アノテーション情報を利用しゲノム上の遺伝子の位置とp53結合部位の位置を比較することで有為な結合部位の絞込みを可能にした。 (2)p51/p63、p73下流遺伝子のJagged-1、Jagged-2のプロモータ領域をp53結合配列の検索システムで解析したところ、認識配列が10塩基のp53結合配列が3つ以上連続した配列であることが判明したため検索システムの改良を行い、p53結合配列が3つ連続した部位を検索することを可能にした。 2.(1)改良したシステムによる全ゲノム解析の結果、結合部位の候補が約1100箇所予測された。予測部位周囲の既知遺伝子に関してp51/p63、p73による発現誘導の有無を調べたところfibrin-1など複数の遺伝子で発現の増大を認めp51/p63、p73の標的遺伝子の候補であると推定した。 3.(1)解析システムよりの結果を、ローカル環境でGenScan、BLASTにより解析するためのシステム構築を行った。システムのOSはDebian GNU Linux3.0を使用し、USAGI IPv6 Patchによりカーネル再構築を行うことでIPv6化し、あわせてwebサーバのIPv6化も行うことでシステム全体のIPv6化を行った。またIPsecを実装することで、特定クライアント間との通信を暗号化して行えるシステムとした。 (2)p53結合部位周囲の配列の法則性発見のために決定木ならびにニューラルネットワークを使用するために既存の汎用データマイニングシステム(WekaおよびVisual Mining Studio)を導入し、p53結合部位解析システムとの連携を行った。
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