研究課題
(1)繊維状ファージφRSM感染によって引き起こされる宿主菌病原性喪失の分子基盤の確立:φRSM感染により宿主細胞表面が変化し、ファージタンパク質の蓄積とファージ粒子の形成・放出が起こる。その結果、クオーラム感知活性の低下を招きバイオフィルム形成能減少、病原性の発現の抑制が起こる事が示された。また、φRSMのゲノムにコードされたリプレッサー遺伝子ORF15によって、宿主病原性制御遺伝子(phcA)が発現抑制されることを確認した(論文発表)。(2)新規小型セリンレコンビナーゼによる繊維状ファージφRSMの宿主ゲノム組み込み機構の解明: φRSM1がコードする新規小型セリンレコンビナーゼ遺伝子ORF14がファージの宿主ゲノムへの組み込み(プロファージ化)に働く事をin vivo系で証明した。このφRSM1-ORF14の発現ベクターへのクローニングに成功し、in vitroでの反応系において、組換え基質DNA配列、必須ヌクレオチド部位、酵素ヌクレオチド相互作用の詳細な解析を行った。(3)φRSM感染菌がもたらす植物病害抵抗性増強効果(ワクチン効果)の分子基盤確立:φRSM感染によって非病原化した細菌の接種により、植物の防御遺伝子発現を誘導できることを示した。(4)φRSM感染菌/青枯病ワクチンを例としての植物病コントロール用ファージワクチンの検討・探索:より多種の青枯病菌に対応するコントロール技術を開発するためには、宿主域の広いファージを取得する必要がある。新たに青枯病菌に感染する新規ファージを単離した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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