研究課題
急性脳炎は脳の実質での炎症を主体とする疾患である。小児、成人に関係なく罹患するが、特に小児ウイルス脳炎は致死性が高い。しかしその原因は多様であり、診断に困難を来すことが少なくない。我々はコンタミネーションを避けるために1本のチューブで10種類のウイルスを同時に検出することの可能なmultiplex PCR法を開発した。本法では10種類のウイルスすなわちヘルペスウイルス6型、A型インフルエンザウイルス、ヒトパレコウイルス、単純ヘルペスウイルス1型、2型、日本脳炎ウイルス、A群ロタウイルス、エンテロウイルス、アデノウイルス、デングウイルスで、アジア時域における小児ウイルス性脳炎と脳症の主な原因と考えられるウイルスを網羅する。合計57検体(便検体、咽頭ぬぐい液、後鼻腔ぬぐい液、血清、脳脊髄液(CSF))を18症例の脳炎/脳症疑いの日本の入院小児から得た。これらの検体を新規multiplex PCR法および比較のためmonoplex PCR法で検出した。その結果、新しいmultiplex PCR法は10コピー以下のウイルスゲノムを検出でき、 単独PCR法に劣らず、臨床検体特に便検体中の脳炎/脳症関連ウイルスのスクリーニングに使用できることを明らかにした。併せて糞便検体ではカンピロバクターの検出を行い、Campylobacter jejuni (C. jejuni)と C. coli の頻度分布と抗菌薬耐性を検索した。カンピロバクター腸炎の約10%に下痢症ウイルスの存在を認め、ウイルスと細菌性下痢症の合併が予想以上に多いことを明らかにした。この結果は細菌性下痢症として治療される一部にウイルス性下痢症が存在し、ウイルス脳炎の潜在的なリスクとなり得ることを示唆するものである。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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