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2014 年度 実績報告書

ゼブラフィッシュの肝毒性に対するAstragalusポリ多糖の防御効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 14F03777
研究機関酪農学園大学

研究代表者

寺岡 宏樹  酪農学園大学, 獣医学群, 教授 (50222146)

研究分担者 YIN Guojun  酪農学園大学, 獣医学群, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2016-03-31
キーワード魚毒性 / 肝毒性 / ゼブラフィッシュ / 漢方薬
研究実績の概要

A ゼブラフィッシュ稚魚における肝毒性の検出:四塩化炭素の肝毒性を検討した。アポトーシスおよびネクローシスを検出するアクリジンオレンジ染色、脂肪肝を検出するオイルレッド染色とも安定した効果を確認できなかった。しかし、デキサメサゾンとエタノールによる肝肥大(120hpf)を倒立顕微鏡観察を用いた左側像から確認し、断面積の有意な増加を検出できた。四塩化炭素、テトラサイクリン、カルバマゼピン、ネオマイシン、TCPOBOP、エストラジオール、2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin:TCDDなど肝毒性が哺乳動物で報告されている物質では影響を確認できなかった。

B 肝肥大に対するAPSの影響:デキサメサゾンおよびエタノールによる肝肥大に対して、APSの水性暴露は全く影響を与えなかった。また、TCDD誘発性浮腫に対してもAPSは無効であった。大量の結晶が析出しているので充分量が吸収されていない可能性がある。

C 遺伝子発現に対する効果:デキサメサゾンは免疫および代謝に関与する一群の遺伝子発現に影響することが哺乳動物で知られているので、TNF, iNOS, IL1, IL-10, IL-12, VPS, FKBP5,FOIE-GRAS, HER6, CD36, ANGPTL4について肝臓原基が認められる受精後120hrのゼブラフィッシュにおける定量PCR法を検討した。これまでのところ、ANGPTL4が増加率はわずかではあるが、有意に誘導されることを見いだしている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

肝毒性の検出法として発達期ゼブラフィッシュで報告されている方法がいずれも検出感度が低いことがわかったが、明視野顕微鏡下で肝肥大を検出するという単純な方法に到達するまで期間を比較的長期間を要した。また、当初検討を予定していたAPSはコイの培養肝臓スライスでは四塩化炭素誘発性肝毒性を抑制するが、ゼブラフィッシュ用の栄養液では多くの析出結晶が確認されるなど、きわめて溶解性が低いことが問題と考えられる。

今後の研究の推進方策

A 昨年度の成果として、デキサメサゾンによる肝肥大が確認できた。このことは、中国の養殖魚で問題となっている肝肥大にストレスが関与している可能性を示唆している。そこで、デキサメサゾン誘発性肝肥大の作用経路を明らかにするため、グルココルチコイド受容体(GR)やGRやプレグナンXレセプター(PXR)に対する拮抗薬やノックダウンの効果を観察する。また、肝肥大を抑制するための薬物を探索する。

B ゼブラフィッシュ成魚を用いたAPSの肝毒性防御作用の検討:
APSは水に溶けにくいが、APSを含む餌を成魚に食べさせることにより、四塩化炭素誘発性肝障害に対する影響を観察する。肝毒性は摘出した肝臓のホールマウントTUNEL染色を指標にする。組織学的観察と肝毒性指標としての肝臓酵素、抗酸化酵素活性についても測定する。さらに、抗酸化酵素の他、APSの薬理作用との関連が哺乳動物で示唆されている免疫および代謝関連遺伝子発現についても検討する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Identification and functional characterization of novel feline cytochrome P450 2A2015

    • 著者名/発表者名
      Okamatsu G, Komatsu T, Kubota A, Onaga T, Uchide T, Endo D, Kirisawa R, Yin G, Inoue H, Kitazawa T, Uno Y, Teraoka H.
    • 雑誌名

      Xenobiotica

      巻: in press ページ: in press

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Hepatoprotective and antioxidant effects of dietary Angelica sinensis extract against carbon tetrachloride-induced hepatic injury in Jian Carp (Cyprinus carpio var. Jian)2015

    • 著者名/発表者名
      Cao L, Du J, Ding W, Jia R, Liu Y, Xu P, Teraoka H & Yin G.
    • 雑誌名

      Aquaculture Research

      巻: in press ページ: in press

    • 査読あり
  • [学会発表] Hepatoprotective and antioxidant effects of Angelica Sinensis extract against carbon tetrachloride-induced hepatic injury in fish2015

    • 著者名/発表者名
      Yin G, Cao L, Du J, Teraoka H.
    • 学会等名
      第42回 日本毒性学会学術年会
    • 発表場所
      石川県立音楽堂、金沢市、石川県
    • 年月日
      2015-06-29 – 2015-07-01
  • [学会発表] Prostacyclin inhibits precardiac edema in develping zebrafish exposed to 2,3,7,8-tetrachlrodibenzo-p-dioxin2015

    • 著者名/発表者名
      Teraoka H, Nijoukubo D, Yin G, Kitazawa T.
    • 学会等名
      54th Annual Meeting of Society of Toxicology
    • 発表場所
      San Diego Convention Center, San Diego, CA, USA
    • 年月日
      2015-03-22 – 2015-03-26
  • [学会発表] 発達期ゼブラフィッシュのにおけるダイオキシン誘発性心臓周囲浮腫におけるトロンボキサンとプロスタサイクリン経路の役割2014

    • 著者名/発表者名
      二条久保大祐、奥野悠樹、山越あゆ美、Yin Guojun、北澤多喜雄、寺岡宏樹
    • 学会等名
      第157回日本獣医学会学術集会
    • 発表場所
      北海道大学札幌高等教育推進機構
    • 年月日
      2014-09-09 – 2014-09-12
  • [学会発表] 発達期ゼブラフィッシュのダイオキシン誘発性浮腫におけるトロンボキサンとプロスタサイクリンの相反作用2014

    • 著者名/発表者名
      二条久保大祐、奥野悠樹、山越あゆ美、Yin Guojun、北澤多喜雄、寺岡宏樹
    • 学会等名
      第41回 日本毒性学会学術年会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2014-07-02 – 2014-07-04

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公開日: 2016-06-01  

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