研究課題
今年度は、昨年度に引き続きSPS法によるジルコニアセラミック膜の成膜を試み、各パラメータと皮膜の微細組織との関連について詳細な検討を行った。サスペンション濃度、溶射距離、電流、材料供給量、などの各運転パラメータが膜の微細組織に及ぼす影響を検討した。その結果、以下のことが確認できた。(1)膜の微細組織はサスペンション濃度と溶射距離に強く影響を受ける。(2)ポーラスな膜は開気孔率22%程度に達し、通常のAPS膜の倍程度の値である。(3)ポーラス膜はサスペンション濃度が低くプラズマガス流量が大きい時に得られやすい(4)サスペンション濃度を高くすることで徐々に緻密にはなるものの、通常のAPSコーティングよりもポーラスなコーティングのみが得られた。(5)SPSの膜の緻密さは溶射距離に非常に敏感で、溶射距離が短い程緻密になることから、今後より短い溶射距離での成膜が必要である。最後の点について、本研究で用いた装置TC-8050ではブロックにプラズマトーチをマウントする構造になっており、吹き出しノズルから基材までの距離はブロックの表面より近くできないために制限があり、より短い距離での溶射成膜のためにはハードウェアの改造が必要となる。これは今後の課題のひとつである。また、プリカーサー溶液を原料としたプラズマジェットによる反応合成のテストを試みた。ジルコニウムを含む硝酸塩の溶液を用いたが、水系の溶液のためプラズマトーチ内部の銅製部品の酸化劣化があり、安定した反応は困難であった。使用しているTC-8050は内部供給によるアクシャルフィード方式で材料を供給するため、トーチ内部(特に電極とノズル)の酸化劣化に注意が必要である。今後は有機系の溶媒に溶融可能な金属塩の選択が必要である。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Proceedings of International Thermal Spray Conference and Exposition, ITSC 2016 (Thermal Spray: Fostering a sustainable world for a better life)
巻: - ページ: -
The proceeding of the International Thermal Spray Conference and Exposition
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Proceeding of the 13th Triennial International Conference on Liquid Atomization and Spray Systems (ICLASS 2015)
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https://unit.aist.go.jp/atc/