研究課題/領域番号 |
14F04048
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
閻 紀旺 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40323042)
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研究分担者 |
HUANG Hu 慶應義塾大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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キーワード | ナノインデンテーション / 押し込み / 単結晶シリコン / 相変態 / マイクロ・ナノ加工 / 超精密切削 |
研究実績の概要 |
機械・光学・バイオデバイスなどに用いられている各種の先端材料はそれ自体で固有の表面機能を有しているが、その材料表面にナノレベルの規則的(あるいは不規則的)な微細構造を形成することにより、その機能が飛躍的に向上され、あるいは材料の固有特性を越えた全く新しい表面機能が得られることが知られている。一方、これまでのナノレベルの微細構造加工は主にフォトリゾグラフィに代表される半導体プロセスにより行われており、基板形状も平面形状に限られていた。そこで本研究では、ナノインデンテーション法による先端材料のナノスケールの機械的特性の評価を行うとともに、大面積の微細構造表面創成を目指している。最終的に単結晶シリコンや石英、超硬合金、シリコンカーバイトなどの硬脆材料の表面へナノレベルの微細構造を創成加工することを目的とする。 H26年度では、独自の3次元微細形状を創成するための多自由度インデンテーションシステムの構築に着手すると同時に、現在保有する超微小押し込み試験機を用いて単結晶シリコン、単結晶シリコンカーバイトのナノインデンテーション実験を行い、材料の機械的特性の解明を行った。その結果、単結晶シリコンのナノインデンテーション実験において第2のPop-out現象を発見し、そのメカニズムを解明した。また、繰り返し押し込み方法を用いて、押し込みの際の変位荷重曲線のデータ処理を行うことでシリコン相変態を表すための新たなパラメータを提案した。これらの成果は今後の微視的な形状創成に対して重要な指針を与えるものであると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
単結晶シリコンのナノインデンテーション実験による機械的特性の解明において第2のPop-out現象を世界で初めて発見したことや、繰り返し押し込みによる相変態評価の新たなパラメータを提案したなど、多くの成果が得られており、本研究が順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
H27年度では、H26年度で試作した押し込み装置を用いて硬脆材料の微細構造創成条件の実験研究を行う。微細構造加工時の盛り上がりや材料相変態を抑制し、ダメージフリー加工が実現できる最適条件を実験的に検討する予定である。
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