研究課題/領域番号 |
14F04050
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
早川 泰弘 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (00115453)
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研究分担者 |
DHEIVASIGAMANI Thangaraju 静岡大学, 電子工学研究所, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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キーワード | バイオイメージング / 多層構造 / コアーシェル / ナノ構造 / 希土類 / オレイルアミン溶媒 / 熱注入法 |
研究実績の概要 |
本研究は、バイオイメージングへの応用を目指し、β-NaYF4:Yb:Er:Tm @ β-NaGdF4 @ アモルファスSiO2/メゾポーラスFe3O4 @ メゾポーラスSiO2から成る多層構造のコアーシェル型ナノ構造の作製技術を開発することを目的とした。平成26年度は、(1) Y(CF3COO)3, Gd(CF3COO)3, Yb(CF3COO)3, Er(CF3COO)3 とTm(CF3COO)3.を原料として用いて、オレイルアミン溶媒中にアルカリと希土類トリフルオロ酢酸を混入させた溶液を窒素雰囲気中で熱処理する方法で、β-NaYF4:Yb:Er:Tmナノ結晶を作製した。さらに、β-NaYF4:Yb:Er:Tmナノ結晶上にβ-NaGdF4 を熱注入法で作製し、12-16 nmの球状で、六方晶のコアーシェル型ナノ結晶を作製した。(2)オレイルアミン溶媒中に酢酸鉄を撹拌しながら混合物を合成し、これを窒素雰囲気中160度、30分間ガス抜きした後、300度で1時間熱処理することで、6 -9 nmで立方晶のFe3O4 ナノ結晶を作製した。 (3)有機溶媒 IGEPAL®CO-520をシクロヘキサンに溶解し、混合した。シクロヘキサンにβ-NaYF4:Yb:Er:Tm@NaGdF4を混合した溶液をこの溶液に混ぜ、1時間30分攪拌した。さらに、この溶液中にオルトケイ酸テトラエチルと水酸化アンモニウムを混合し、透明な微乳液を形成した後、攪拌した。遠心分離機にかけ、分離し、無水エタノールで洗浄することで、コアーシェル型NaYF4:Yb:Tm@NaGdF4@SiO2を作製した。この方法により、β-NaYF4:Yb:Er:Tm @ β-NaGdF4を20 nm 厚さのSiO2で覆った構造の作製に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
オレイルアミン溶媒中にアルカリと希土類トリフルオロ酢酸を混入させた溶液を窒素雰囲気中で熱処理する方法で、β-NaYF4:Yb:Er:Tmナノ結晶を作製した。β-NaYF4:Yb:Er:Tmナノ結晶上にβ-NaGdF4 を熱注入法で作製し、コアーシェル型ナノ結晶を作製した。β-NaYF4:Yb:Er:Tm @ β-NaGdF4を20 nm 厚さのSiO2で覆った構造の作製に成功した。さらに、Fe3O4 ナノ結晶の合成技術も開発した。当初の計画どおり進展していると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
今後、β-NaYF4:Yb:Er:Tm @ β-NaGdF4 @ アモルファスSiO2/メゾポーラスFe3O4作製条件をさらに検討する。オレイルアミン溶媒中の酢酸鉄濃度、合成温度、合成時間の最適化を図る。その後、ヘプタンとポリエチレングリコールエーテル皮膜剤を用いて、Fe3O4を分散したアモルファスSiO2層をゾルゲル法で作製し、多重コアーシェル型ナノ構造を作製する。
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