研究課題/領域番号 |
14F04055
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
廣瀬 壮一 東京工業大学, 情報理工学研究科, 教授 (00156712)
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研究分担者 |
BUI Tinh 東京工業大学, 情報理工学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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キーワード | 破壊解析 / モデリング / 複合材料 / 有限要素法 |
研究実績の概要 |
本研究では高機能・構造複合材料の破壊解析を実施している.その内容は大きく2つに分かれる.一つは,圧電材料及び傾斜機能複合材料の破壊モデリングである.もう一つの内容は高性能コンクリート構造材料の破壊モデリングである.平成26年度は,前者の圧電材料及び傾斜機能複合材料の破壊モデリングとその解析を実施した.従来から,力学-熱-電気-磁気が複雑に関連する数々の高機能材料のき裂/破壊解析は多く実施されているが,複数き裂,電磁場境界条件,積層間剥離など未解決の問題が多く残されている.本研究ではこれらの問題を解決するために新たなX-FEMを開発した.non-uniform rational B-spline(NURBS,非一様有利Bスプライン)を形状関数及び座標関数に用いたアイソジオメトリック要素を用い,き裂面での不連続性とき裂先端での応力集中をそれぞれ要素形状とは独立な階段関数と漸近解を用いた基底関数を用いて表現して,高精度な解を得ることに成功している.解析を実施した具体的な問題は以下の通りである.二層圧電材料界面におけるき裂の動的解析,き裂を有する傾斜機能複合板材の座屈崩壊解析,二層からなる電磁場-弾性場における界面き裂の動的解析,様々な荷重と境界条件の下におけるき裂を有する傾斜機能複合板材の解析,傾斜機能複合板材の幾何学的非線形解析,切り込みを持つ積層複合構造板材の解析など,多岐にわたり,本研究で開発した解析手法に汎用性があることを示している.また,傾斜機能複合材料の解析結果は,空気超音波用の探触子に用いられる整合層の最適設計にも応用できるもので,新たなセンシング用高機能複合材料の開発に係る基礎データを得ることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新たにNURBSに基づくX-FEMを開発し,様々な問題を解決している.その適用範囲は当初計画していた通りで,広い範囲に及んでおり,研究はおおむね順調に進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,平成26年度に開発したNURBSに基づくX-FEMを高性能コンクリート構造材料の破壊解析に応用する.また,圧電材料及び傾斜機能複合材料の解析については2次元のみならず,3次元解析にも挑戦し,さらに新たなX-FEMの適用範囲を拡大する.
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