研究課題/領域番号 |
14F04073
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
伊豆田 猛 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20212946)
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研究分担者 |
AKHTAR NAHID 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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キーワード | オゾン / 塩ストレス / イネ / 成長 / 収量 / 葉のガス交換速度 / 活性酸素消去系酵素 / 抗酸化物質 |
研究実績の概要 |
平成27年度においては、バングラデシュのイネに対するオゾンと塩ストレスの複合影響に関する実験的研究を東京都八王子市にある東京農工大学FM多摩丘陵に設置したオゾン暴露チャンバーを用いて行った。2品種のバングラデシュのイネ(品種: BR47およびBR58)を、3段階の濃度レベルのガス処理(浄化空気, 野外の1.0倍または1.5倍のオゾン濃度, オゾン濃度の制御は野外オゾン濃度の比例追従制御)と2段階の塩処理(NaCl濃度: 0 mMまたは60 mM)をファクトリアルに組み合わせた合計6処理区で2015年7月1日から11月28日までの151日間にわたって育成し、2品種の個体乾重量、各器官別乾重量、葉面積、収量、葉のガス交換速度(純光合成速度、蒸散速度および気孔コンダクタンス)および葉のRuBPカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ(Rubisco)活性などを測定した。 オゾン暴露は、2品種(BR47およびBR58)のイネの個体および各植物器官の乾重量、葉面積、収量および葉の純光合成速度などを有意に低下させた。また、塩ストレスは2品種のイネの個体および各植物器官の乾重量、葉面積、収量および純光合成速度などを有意に低下させた。オゾンと塩ストレスは、2品種のイネの個体乾重量に対して相加的に作用したが、収量と葉のガス交換速度に対しては相殺的に作用した。これらの結果より、バングラデシュのイネに対するオゾンと塩ストレスの複合影響は、植物要因によって異なることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度においては、当初の予定通り、大規模な実験的研究を行い、バングラデシュのイネ(2品種)の乾重量、収量および葉のガス交換速度に対するオゾンと塩ストレスの複合影響を明らかにしたため、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度においては、平成27年度に行った実験的研究でガス処理と塩処理を行った2品種のイネの葉のRuBPカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ(Rubisco)活性・濃度、活性酸素消去系酵素の活性および抗酸化物質の濃度などを測定し、それらの測定結果に基づいてバングラデシュのイネに対するオゾンと塩ストレスの複合影響のメカニズムを明らかにする予定である。
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