研究課題
アカハライモリ・トランスジェニック技術をこの動物の網膜再生系に実践適用することにより、イモリ体再生の主幹分子メカニズムに迫ることを目的に、以下の3つの項目の研究を行った。1.Pax6の機能解析: 変態した亜成体のトランスジェニックイモリに対して、Pax6のノックダウン実験を始めた。この動物は、網膜を再生する成熟したRPE細胞に特異的にPax6shRNAを強制発現させることができる。具体的には、麻酔した動物の眼球から神経性網膜を除去し、その後のRPE細胞の挙動や網膜再生の様子を組織レベルで調べている。コントロールshRNAを発現させた場合は、RPE細胞に由来する細胞(mCherryの赤色の蛍光を示す)は、予想通り、RPE組織と再生した神経性網膜組織中に観察された。現在、2種類のshRNAの影響を解析中である。さらに同時進行で、アカハライモリのゲノムからRPE65プロモーターを含むより長い領域を単離し、これを組み込んだより確度の高いコンストラクトを作製した。すでに、これを導入したトランスジェニックイモリを作製した。2.シングルセル・トランスクリプトーム解析: アカハライモリの全トランスクリプトームに対するマッピング解析により、リプログラム中のRPE細胞における遺伝子の発現動態が明らかになりつつある。これをコントロールとして、Pax6ノックダウンにより影響を受ける下流因子を明らかにするため、これ用のトランスジェニックイモリも作出した。次年度から解析を始める予定である。3.新奇遺伝子の機能解析: 今年度は、候補遺伝子を絞り込むため上記2の解析に注力した。
2: おおむね順調に進展している
本研究の主題であるPax6の機能解析については、トランスジェニック動物も十分に得られ、すでに解析が進められている。まだ、ノックダウンの効果について明確な結果を示すに至っていないが、データが揃いつつあるため、成果報告は時間の問題である。
今後も密なコミュニケーションを心がけ、研究室全体として連携をとりながら進めていく。次年度が最終年度なので、成果報告に向けて努力する。
すべて 2014 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件) 備考 (5件)
Transgenic Res.
巻: - ページ: -
10.1007/s11248-014-9857-1
Sci. Rep.
巻: 4, 6043 ページ: -
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