調査・収集として、本研究者はこの研究と関連して、アメリカ国立公文書館(平成28年4月29日~5月6日)など海外の関連機関、京都府京都文化博物館(平成28年6月8日)、早稲田大学演劇博物館、 川喜多記念映画文化財団(平成28年8月6~11日)などを訪問して調査作業を行った。 研究及び論文作成として、本研究期間中に、調査・収集した資料を分析してまとめた成果は、代表的に次の論文で公開した。戦前日本の映画配給会社である東和商事の朝鮮映画関連スクラップブックなどの文献史料を分析して、1930年代の半ばから後半にわたり 「内地」日本の映画界で、朝鮮映画が「郷土色」「朝鮮的なもの」などの言説をもとに、「半島芸術映画」に命名される状況を考察した。この論文は「朝鮮映画はどのようにして‘半島芸術映画’として呼名されたのか-『漢江』の日本配給を中心に-」というタイトルで国際韓国文学文化学会の『サイ間SAI』(平成28年5月)に掲載された。 関連機関の行事参加として、本研究と関連して、関係者たちと討論を重ねながら、その後も研究協力が行われるようにネットワークを構築した。特に、植民地期朝鮮映画の新派活劇ジャンルと比較分析ができる同時期日本映画テクストは、神戸映画資料館の安井喜雄館長から研究協力を受け、共に上映会を企画することができた。平成28年10月29日に「1930年代の韓国映画と日本映画にみるアクション」という上映会である。
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