研究課題
様々な最新の研究から運動療法による体重減少とは独立した非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の改善効果が報告されている。従って、食事療法の継続に苦慮している多数のNAFLD肥満者に、運動療法を実施することが勧奨される。しかしながら、体重減少効果に優れた食事療法に比較し、NAFLDの病態改善に関する運動療法のベネフィットの詳細は明らかではない。また、運動療法の実施において、効率的な運動方法(種類、強度、時間)は解明されていない。そこで、本研究では中年肥満男性を対象に、運動プログラムの種類と強度の違いが、NAFLDの肝脂肪蓄積と肝弾性度といった肝病態因子に及ぼす影響について検討を行った。 運動習慣がなく脂肪肝を有するNAFLD中年肥満男性を対象とした運動療法による減量教室を実施し、参加した61名をランダムに3群に分け、1週間に3回の頻度で12週間にわたるレジスタンストレーニング、高強度インターバルトレーニング、中強度持続性トレーニングの前向きランダム化比較試験を行なった。解析の結果より、レジスタンストレーニング、高強度インターバルトレーニング、中強度持続性トレーニングの3群のすべてにおいて、体重減少とは独立的に、3ヶ月後、3群すべて同等に有意な減少効果が得られた。肝脂肪蓄積は運動の種類とそれらの強度に依存せずに改善することが明らかとなった。しかしながら、肝弾性度は高強度インターバルトレーニング群にのみにおいて減少したが,それには非アルコール性脂肪性肝炎の進行に関連するクッパー細胞の貪食機能の改善が随伴していた.また、高強度インターバルトレーニング群のみ、抗酸化ストレス応答遺伝子の発現増加を示した。この改善効果は高強度インターバルトレーニングによる肝の脂質代謝や炎症病態の改善を通じて現れると考えられた。NAFLDにおける運動療法として高強度運動を実施する必要性が明らかとなった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Scientific Reports
巻: 7 ページ: -
10.1038 / srep43029
Diabetes, Metabolic Syndrome and Obesity: Targets and Therapy
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