研究課題/領域番号 |
14F04308
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研究機関 | 独立行政法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
島田 裕之 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 生活機能賦活研究部, 部長 (00370974)
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研究分担者 |
LEE Sangyoon 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 生活機能賦活研究部, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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キーワード | 高齢者 / 社会活動 / 認知機能 / 日常生活活動 |
研究実績の概要 |
社会的ネットワークや社会活動の健康に対する有効性は先行研究で指摘されており、日本を含む多くの先進国では活動的な高齢期、高齢者の社会活動促進施策が推進されている。しかし、健康における至適活動量や活動内容に関しては、一致した知見は得られておらず、社会活動における尺度の問題が指摘されている。そこで、本研究では社会活動を『会話を伴った戸外での他人との接触・行動』と定義したうえで、簡便に測定可能な新たな指標を開発し、GPSおよび3軸の加速度センサー付体動計といった客観的な手法を加えた検討を行う。初年度に関しては、社会活動指標を開発するため先行研究の検討、調査研究を行うことを計画した。 先行研究は高齢者の社会活動、健康状態等をキーワードとした文献検索を進行している。調査は、2月、在宅高齢者152名を対象とし、先行研究を参考として作成した質問紙調査を実施した。同意が得られた対象者には、全地球測位網(Global Positioning System, 以下、GPS)および3軸の加速度センサー付体動計を2週間装着してもらった。日常生活の活動に関しては質問紙調査により実施した。現在、質問紙調査や機械測定によるデータのクリーニング作業を進行している。データ構築の終了次第、回答者の個人特性による解析を進行する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究事業は、当研究チームで実施している研究フィールドで実行している。すでに自治体との協力体制や研究フィールドの確保ができていたため、概ね順調な進展が可能であったと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
実施調査のデータ構築により、社会活動における項目内容や活動参加にかかわる要因を検討する。なお、解析結果や先行研究から、社会活動の項目プールを作成し、項目内容を検討していく。 当時に、認知症でない地域在住高年者において、社会活動の参加状態と認知機能、脳容量との関連を検証する。解析項目としては、質問紙調査と認知機能検査、MRI検査等を使用する。研究フィールドは、JST戦略的創造研究推進事業の「認知症予防のためのコミュニティの創出と効果検証」プロジェクトにより、認知症予防プログラムにおける大規模無作為比較実験を用いる。参加者は280名であり、平成26年3月から6月に事前検査を実施し、介入が終了した現在、事後検査を実施している。本研究により、日常生活活動と認知機能、脳容量との関連を社会活動の参加を中心として解析することで、これらの活動実施が認知機能にどのような影響を与えるか、科学的根拠を提案することが可能となる。なお、検討された項目を用い、地域在住高齢者を対象とした大規模の質問紙調査等を実施することで、開発された尺度の総合的検討や信頼性、妥当性の検討を行う。
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