研究課題/領域番号 |
14F04313
|
研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
佐藤 正広 一橋大学, 経済研究所, 教授 (80178772)
|
研究分担者 |
LIN Pei-Hsin 一橋大学, 経済研究所, 外国人特別研究員
|
研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
|
キーワード | 統計調査 / 台湾 / 主計制度 |
研究実績の概要 |
①平成27年2月および3月に、台湾でそれぞれ2週間の資料調査を実施した。その結果、主計総処中部弁公室(日本の統計局に相当)において、日本統治末期から国民党統治期全般にわたる多量の資料を発見した。先方との交渉により、すでにその一部を取得、分析にかかっているが、未見の資料がまだ大量に存在するため、継続した調査が必要な状況である。 ②調査の過程で、国民党の党史館(文書館)にも良質の資料が大量に存在することが判明した。また、国民党統治期の資料についていえば、档案局(日本の国立公文書館に相当)にも資料が存在する可能性が高く、平成27年度には調査の対象に加えたい。 ③台南の国立台湾歴史博物館に、日本統治時代の、民間の資料が存在することが判明した。その中には、台湾総督府による統計調査を、台湾民衆がどのように受容したかを示す資料が含まれる可能性が高いので、平成27年度には調査の対象に加えたい。 ④日本国内においても、国会図書館等の調査を実施した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
交付申請書には、主計総処中部弁公室を、主な資料の所蔵機関として記載したが、「概要」にも述べたとおり、党史館、档案局、台南国立歴史博物館など、記載した以外の資料所蔵機関を発見し、現在その調査の準備にかかっている。これらの機関の所蔵資料は、当初予期したよりも大量であり、これらを利用することで本研究は当初計画以上に進んでいる。また、収集した資料を用いて、ディスカッションペーパーの執筆にかかっている。ディスカッションペーパーは現在執筆中の1点のみならず、さらに複数執筆する材料が得られた。これらの点で、当初計画より研究は進展しているといえる。
|
今後の研究の推進方策 |
①当初計画にはなかった資料所蔵機関(党史館、档案局、台南国立歴史博物館)における資料収集のため台湾出張による調査を実施し、得られた史料を分析する。 ②現在執筆中のディスカッションペーパー「接続と断絶―戦後における台湾の統計機関とその変遷」を引き続き執筆する。 ③①で得られた資料ならびに一橋大学経済研究所資料室所蔵資料を基に、新たなディスカッションペーパーを執筆する。
|