研究実績の概要 |
Desmukh氏は、沖縄辺戸岬で採取した粒径別ジカルボン酸のデータ解析を行った。粒径別に採取した画分に(<0.43, 0.43-0.65, 0.65-1.1, 1.1-2.1, 2.1-3.3, 3.3-4.7, 4.7-7, 7-11.3, >11.3 μm)、ジカルボン酸(C2-C12)、オメガオキソ酸(C2-C9)、ピルビン酸、α-ジカルボニル(グリオギザール、メチルグリオギザール)を検出した。シュウ酸が最も優位なジカルボン酸であることがわかった(C2, 159-236 ng m-3)。また、ジカルボン酸は微細粒子(0.65 - 2.1 μm)に濃集されていることが明らかとなった。一方、不飽和脂肪酸の酸化によって生成するアゼライン酸(C9)は、粗大粒子(3-5 μm)にも濃度の最大を示した。このことは不飽和脂肪酸の二重結合が海洋エアロゾル表面にて酸化されていることを示唆した。この研究生は、論文として完成し、J. Geophys. Res.-Atmospehresに投稿し、現在査読中である。 また、同氏は、本人がインドで年間を通して採取した粒径別エアロゾル試料を河村研究室で分析し、ジカルボン酸・オキソカルボン酸・α-ジカルボニルを検出した。微細粒子画分に高い濃度のジカルボン酸などが検出された。これらの分布は、インドモンスーンのパターンで大きく異なることがわかった。現在データの解析をほぼ終わり、論文執筆は最終段階に来ており、近日中に国際誌に投稿する予定である。
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