研究課題
電流駆動磁壁移動現象は磁気メモリーへの応用の期待がされる現象であり、電流による効率的な磁壁駆動技術の開発が望まれている。最近、スピンホール効果によって非磁性体から磁性体へ流れ込むスピン流によって磁壁移動が起こることが示された。この際に、界面におけるジャロシンスキー守谷相互作用によって磁壁の内部構造が安定化されることが重要であり、効率的な磁壁移動のためには大きなジャロシンスキー守谷相互作用を持つ物質が必用である。本研究では、スピン軌道相互作用の大きい非磁性体と磁性体を組み合わせて大きなジャロシンスキー守谷相互作用を発現する物質を探索することを目的としている。物質探索のためにはジャロシンスキー守谷相互作用の大きさを評価することが必用であり、昨年度は、垂直磁化膜における磁壁移動速度を面内にも磁場を印加して測定することで、ジャロシンスキー守谷相互作用の大きさを定量的に評価することが可能であることを明らかにした。今年度は、さらに磁化反転磁場の外部磁場依存性からもジャロシンスキー守谷相互作用の大きさを定量的に評価することが可能であり、昨年度に確立した手法と相補的に利用できることを明らかにした。
2: おおむね順調に進展している
当初目標通り、ジャロシンスキー守谷相互作用の大きさを定量的に評価する手法を確立し、系統的な実験を始めることが出来た。
今年度までに確立したジャロシンスキー守谷相互作用の大きさを定量的に評価する手法による系統的な実験を行い、大きなジャロシンスキー守谷相互作用を発現する物質を探索する。
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