研究課題/領域番号 |
14F04334
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
諸熊 奎治 京都大学, 福井謙一記念研究センター, シニアリサーチフェロー (40111083)
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研究分担者 |
WICKRAMARACHCHI MILLAWALAGE Chamil Sameera 京都大学, 福井謙一記念研究センター, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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キーワード | 遷移金属錯体 / 均一系触媒 / 計算化学 / 反応経路探索 / 反応機構 / 立体選択性 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、反応経路自動探索(GRRM)戦略の人工力誘導反応(AFIR)法を用いて、中部大成田教授が開発した合成キラルポルフィリンの反応機構と選択性の解明することである。最終ターゲットとしているこの“ツインコロネット“型錯体は大きな柔軟なキラルリガンドを保持し非常に複雑なので、本年度は,モデル系として二つの比較的簡単な系を対象として、反応機構を明らかにした。1. 阪大武田教授が開発した、Pd触媒による2-arylaziridinesのホウ素化反応機構、2. 香港大チャン教授が開発したRh触媒による歪みのないケトンの炭素-炭素σ結合の酸化反応機構である。いずれも多成分AFIR法を用いて、可能な反応経路を探索し、選択性決定段階などの重要な中間体や遷移状態の構造やエネルギーを明らかにした。この結果に基づき2編の論文を執筆中である。さらに、成田系に対し予備計算を推進した。まず、この高原子価鉄ポルフィリン作体の電子状態の計算を行い、基底電子状態を明らかにした。さらに、この活性錯体とのエナンチオ選択的反応の際の基質(4Z,7Z)-undeca-4,7-dieneの接近方向が二つ有る事を明らかにし、それに関わる反応の遷移状態を決定中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
簡単なモデル系については,既に二つの触媒反応の反応機構を明らかにしている。最終ターゲット系についても予備研究が進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
最終ターゲット系について、さらに研究を推進し,反応機構の解明を目指す。さらに、同時にいくつかのモデル系の反応機構及び立体選択性の起源についての研究を進める。
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