研究課題/領域番号 |
14F04349
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
有田 隆也 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (40202759)
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研究分担者 |
JOACHIMCZAK MICHAL 名古屋大学, 情報科学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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キーワード | 進化ロボティクス / 人工発生 / 新規性探索 / ソフトロボット / 変態プロセス / 形態行動共進化 / 発生可塑性 / ニューラルネットワーク |
研究実績の概要 |
まず第一に,新規性探索(novelty search)進化アルゴリズムを,ソフトロボットを念頭において形態と行動の自動設計に適用した.評価実験により,最先端の高性能進化アルゴリズムであるNEATを上回る性能を達成することを発見した.この初期的評価は,前年度に国際会議AROBで報告した(Young Author Award受賞)が,当該年度には,それを大幅に拡張した上で,有力なオープンジャーナルであるFrontiers in Robotics and AIに投稿し,掲載された 第二に,自然の多くの生物において見られる幼生から成体への変態プロセスからヒントを得て,2つの異なった環境に適応して構造を適応的に変えるようなロボットの自動設計を行った.初期的な成果は,国際会議ECAL2015において採録され,フルペーパーとして発表した.関連した成果は,国際会議IEEE CEC 2015のワークショップでポスター発表した.さらに大幅な拡張を行った研究成果は,関連する領域でもっとも権威があるジャーナルArtificial Life (MIT Press)に採録された. 第三に,形態と行動を共進化させずに,事前に用意した手描きで描画した形態を入力とする行動(体の動き)の自動設計に取り組んだ.2次元モデルを用いた初期的成果は,期待を上回るものであり,国際会議SWARM 2015で発表した.この成果は,NHK番組「サイエンスZERO」(2016年12月20日放映)において,当該研究室の鈴木麗璽准教授の解説によって動画と共に解説された.番組収録が進行中に出演者からの入力をクラスター計算機によって進化させ,数分後には進化した仮想生物の動きを観衆にプレゼンすることに成功した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
事前の計画通りの方向性に進み,着実な成果をあげており,かつ,それらの成果が数多くの発表の機会(国際会議,ジャーナル,TV番組)を得たため.
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今後の研究の推進方策 |
研究の進展に応じて,任意に設定した形態をもつ仮想生物に対するコントローラの自動設計が予想外の結果をもたらすことが判明しつつある.具体的には,動きを駆動する渦型の波の創発に依存する新しい分散型自己組織型の制御メカニズムである.これに関する検討を進める.また同時に,モデルをより現実に近づけるために,3次元形態による動きに拡張することを検討する.その際,3Dスキャナによる入力を行う予定である.このような方向性とともに,提案してきた手法に基づいて創造的で多様で複雑なデザインを行う本手法の応用に関する多様な方向性についても検討する.
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